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#逆噴射小説大賞
パルプデーモン・チーフ
「やっぱりミュータントだよ……!」
編集長はバッサリ。俺の顔に原稿が投げつけられる。
「悪魔とか妖怪は宗教色強すぎるとおもうわぁ。時代受けしない」
「でも」俺は食い下がる。ここで、曲げたら作家の俺はオワリ、ジ・エンドだ。家賃も払えず野垂れ死ぬ。
「敵がミュータントなら何でもできるし、どんな形にでもできるでしょ?わかってんの?触手ウジュウジュ〜!ね?」
「じゃ、じゃあ、ダックスフンドミュ
エレキトリカル・ワークマン
俺はアキバで、変わったアイテムがないか物色していた、行きつけの電線屋はすごくDopeなアイテムを揃えているから好きだ。
「オヤジ、これはなんだ?」
金ピカのFケーブルが目にとまる。
「ああ、これかこう使うんだ」
オヤジは店にいた客にケーブルを振るう。近くにいた客はキレイに真っ二つ、圧倒的販促行為!流石、第一種電気工事士!
「いいね!これ100m」
「ありがとうございます!6300円にな
S県創生局スグヤル係日報
BRATATAT!!!
銃弾が飛び交う中での、係長との面談は憂鬱だ。今月は成果、というものは上がっていないし。だが、S県職員は月一回は面談をしなければならない。係長も月末まで忘れていた。
「まー!正直に話してみなよヤマシタ君?どうですか今年を振り返って?」
「ハイ」
ニタニタと意地が悪そうな顔している。俺は応戦で精一杯だ!
「睡眠が足りねェんじゃねえの?最近寝てる?」
「ハイ」
キルデスレート666
「ちぇっ!でねーでやんの!」
眼の前のチンピラ悪魔に向けて引き金を引いた、弾は出なかった。よくあることだ。
拳銃はこの街で一番使えない武器だ。包丁くらいにはすぐ手に入るが、手が吹っ飛ばなかっただけ当たり。そんなところだ。
「コイツ、死んデマスゼ兄ィ」舎弟のバリヨンの驚いた声。バリヨンは肌が石でできた、大男の馬鹿だ。弾除けにピッタリのカワイイ奴だ。
「ショック死か?ビビり過ぎだろ」
妙な装
エンジン・オブ・エドリキシミュータント
浦賀沖に現れた、黒塗りの蒸気絡繰巨人は幕府に開国を迫った、集まる野次馬や役人に戦慄が走る!
超蒸気技術の四巨人は野次馬を薙ぎ払った!威嚇的デモストレーションは大成功だ!これをみて、夜の寝付きが悪くなること誰が責められることか?
ペルリ提督はショウグンに、不平等な条約を叩きつけに来たのだ。蒸気巨人から降り立った彼は荘厳な絡繰鎧から蒸気を噴き出し、巨人達のサーチライトで照らされる!まさに、神の降臨
ベイサイド・サンライズラン
息はしなくなったはずが、息が切れる感覚。幽霊のヤマモトは逃げていた。なんとか巻いた追っ手はかなりの数だった。
(なんだってこんなことに!あの坊主!)
ケツモチのナメリカワ和尚へ渡す上前をちょろまかしたのがバレた。バカ悪魔のジェブを信じたのを後悔したが、怒りをぶつけようにもさっき眼の前で木っ端微塵にされた。
虎の威を借りてやりたい放題していたヤマモトは、今や横濱中の霊、生者、ステイサムみたいな
DEVIL AGENTS
違法武装老人ホーム「あったかケアほーむ」前に佇むサキュバスのアルメリヤは、漏れ出る重低音でいつもより酷いブロックノイズにまみれた見た目になっている。
「聞いてたのよりすごくなィ?」声にもひどいノイズがのる。
受けた仕事は騒音問題の解決。ケチな下級悪魔の彼女には、こういった仕事がお似合いだった。
「始めようかなァ、待っててもこなさそうだしィ」
バディのバリヨンはビビりの下級悪魔だ。「イケタラ
CONCRETE CAT
南国特有のハイコントラストの景色とそびえ立つコンクリートの壁。そこがよく見える小屋が俺の職場だった。
「メキシコ国民、壁です!徴収を開始します!」
壁の枝からコンクリートの塊がポンと飛び出して叫ぶ。
DOM!DOM!DOM!
一瞬でコンクリートはゴミクズだ。
木と金属でできた小屋には8連装の機関砲が据え付けてある。俺は定期的にトリガーを引く仕事。ビビってたら徴収されてオワリだ。
壁の内側
デーモンハンティング
さっきから眼の前に座ってる女が気に食わない。こいつは、ため息深くついて俺がバカ犬に向ける目をしていやがる!
「私が言いたいこと理解してないみたいですね……」
きっとこいつはよく(人間が……クジラが……)なんて考えをめぐらしているに違いない、そんな見た目だ。お上品で、すごく大ッキラいだ…!差し出された名刺にはエクソシストなんて書いているし……
「ろくなこと考えてないみたいですね?」
ベタつく