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【3ステップ】入門マーケティング

今回はマーケティング初心者の方向けに、簡単にマーケティング的な思考が身につく3ステップをお伝えします。

前の記事でも書きましたが、
マーケティングとはセールスを不要にするためのツールです。
ではどうやってセールスを不要にするのか?
それは

■バッチリ決まったペルソナを設定する

これに尽きます。
このペルソナ設定の方法を3つのステップに分けてご説明します。


では早速結論から。
3つのステップとは

STPを明確にし、宣伝内容を絞る

です。
いわゆるSTP分析ですね。
STPの意味はそれぞれ

===================
①S:セグメンテーション(Segmentation)
②T:ターゲティング(Targeting)
③P:ポジショニング(Positioning)
===================

で、S→T→Pの順で顧客像を絞っていく考え方です。
これだけでは想像し辛いと思うので、簡単な例で説明します。

例として、
■市販の後付けカーナビを開発/販売したい■
とします。

ではどんなナビが売れるのでしょうか?
見た目?操作性?地図の正確さ?スマホ連携?AV性能?
どれもカーナビにとっては大事な要素ですね。

ですが、今挙げたような機能面ばかりを考えているうちは
売り上げは伸びないと考えます。
なぜでしょうか?それは

■ユーザー目線でないから

です。
いや高機能の方がユーザーは喜ぶに決まってるじゃん!
確かにそうです。

ですがその機能、すべてが誰かの生活を助けるのに必要十分でしょうか?
高機能とは売り手側の設定した仮想の用途であり、真にユーザーが望んでいるカーライフに即しているでしょうか?

この売り手視点を払拭するのがSTP分析です。
ではカーナビの場合で実際に分析してみましょう。

①S:セグメンテーション(Segmentation)

ここでは、日本で多く売れていて、かつ今後も生き残りそうな車種を選定します。
また、新車時のカーナビ装着率も併せて調査or仮定します。
メーカ純正でナビがついてくる車種の場合、そもそも市販ナビには望みが無いですからね。。。

そして、ここで浮上してくるのが、
◆HONDA N-BOX …2020年上半期販売台数1位(全軽自協算出)
です。

軽自動車は販売台数も多く、また新車時のメーカーオプションナビの装着率が比較的低いので、セグメントとしては適切だと考えます。


②T:ターゲティング(Targeting)

ここでは、N-BOXのユーザー層を調査します。
調査方法は、例えばネットの口コミサイトを全部見て、購入者の年齢や性別、家族構成や使用用途をまとめて傾向を出します。
自社で既存のデータや情報収集ネットワークがある場合は、それを利用して調べるのも有効です。

そしてその傾向に近い顧客をペルソナとして設定します。
例えばですが

・地域   :神奈川県藤沢市在住
・家族構成 :32歳男性、31歳の妻、7歳の息子、3歳の娘
・用途   :息子の習い事の送迎や買い物、週末の家族外出
・主使用者 :平日は妻使用、週末は旦那運転がメイン


詳細まで絞り込み、
この家族に市販ナビを買ってもらうことを考えます。

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ちょっと余談ですが、調べ物をする際にはあらかじめ仮説を立てておくことをお勧めします。
仮説の正誤は問わず、あらかじめ走り出す方向を決めることは、どのビジネスにおいても基本的な思考だからです。詳細は別記事でご紹介します。
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③P:ポジショニング(Positioning)

そして最後に、この家族に刺さる自社にしかないポジションを開発します。いわゆる、他社にはない独自性です。

そしてこの独自性は、先のTで設定した家族のカーライフを幸せにするものでなくてはなりません。決して
・超高精細マップ搭載、最新最強の多機能ナビ
ではいけません。

ではこの家族にピンポイントで刺さる機能は何でしょうか?
私は専門家ではないので核心を突いた案ではないでしょうが、

■子育て中の家族が車移動時に困ることを解決するんだ!

という設定をすると思います。多分大きくは間違っていないと思います。

では子育て中の家族で、社内で一番困っているのは誰か?
たぶん31歳妻ですよね。
平日の習い事送迎や買い物での使用は、夕方の暗い時間の運転を強いられていると考えます。軽自動車の事故は怖いですね。
またその際、3歳の娘も帯同していると考えると、おとなしく座席に座らせるのも一苦労かと思います。

●ここらへんの困りごとをカーナビの機能でサポートし、
少しでも安全運転に集中できるような環境を作り出すことはできないか?

この視点で商品開発を進めれば、他社にはないペルソナぶっ刺さりの商品が完成するのではないかと思います。

またこの際、週末使用の旦那の視点を重視する必要はありません。
無視する訳ではないですが、主な使用者を妻と設定したならば、徹底的にその用途に寄り添う方が商品の魅力は高まります。


そしてこれが完成して売り込みをする際は、この
【家族を助ける機能】を前面に押し出した売り方をする必要があります。
マーケティング、設計開発、セールスが同じ軸で商品に向き合わないと、伝わるものも伝わりませんよね。

ですので、各人が
●この商品はだれの幸せを願って作られたのか
を考え、わからなければ会社に聞き、自分事として理解をしたうえで販促活動に向かわなければなりません。
とにかく売れるようにアピールをするが、詳細機能はカタログ任せ
では絶対に売れません。


あなたがどの立場にいるかによって実務的な内容は変わりますが、本質は

■顧客満足を獲得すること

にあるので、それに即した行動を心がけていただければと思います。


今回は以上です。
この記事も、誰かたった一人の助けになれば幸いです。




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