The Beatles/抱きしめたい、好き。
私の'最も古い'記憶。
私がビートルズと出会ったのは、3歳の頃。母親は英語が堪能で、彼女が若い頃はもちろんビートルズを傾聴していた。ある日、母がお風呂に入っている間、リビングで父親がCDをかけてくれた。母親が所有していた「ビートルズ1」。赤いジャケットが印象的、有名なベストアルバム。
流れてくる "I Want To Hold Your Hand" に身を委ねながら、自然と踊り身体を動かしていた。これが私の一番古い記憶。それより以前、1,2歳の時のことなんて覚えているはずもないし、幼稚園にも入る前だし。
先に流れていたであろう1."Love Me Do"、2."From Me To You"、3."She Love You"は最初の記憶にはない(その後何度も聞いていくうちに体にしみ込んでいくことにはなるが)。なぜか4曲目の"I Want To Hold Your Hand"だけ鮮明に覚えている。なにか感じるものがあったのだろうか。
ビートルズを聴いていくうちに、叙情的で煌びやかな後期の曲群を、より好むようになった。シンプルな前期の曲たちからは遠ざかっていた時期もあった。もちろんこの曲も例外ではなかった。
それでも"I Want To Hold Your Hand"は私にとって特別な曲だ。ビートルズの魅力に気付かせてくれたから。洋楽の世界へと導いてくれたから。
人生における”音楽体験”のきっかけになった曲だ。
楽曲について
今回は自分語りをさせていただきました(いつものこと)。ビートルズの代表曲の1つ「I Want To Hold Your Hand/抱きしめたい(1963)」。アメリカでも大ヒットして、彼らが海を越えて活躍するようになったきっかけの曲です。
ローリング・ストーン誌のThe Greatest Songs of All Time(2021版)で15位。同誌の100 Greatest Beatles Songsで2位。
ボブ・ディランは「誰もやったことがないことをやっている」とこの曲を絶賛しています。この曲がきっかけでロックに影響され、かの名曲"Like A Rolling Stone"ができあがった…といっても過言でないと思います。
他にもビーチ・ボーイズの中心、ブライアン・ウィルソンもこの曲に衝撃を受けたらしい。それぐらい、イギリスにとどまらず世界中を席巻したということです。
って考えると、3歳の私は相当センスがあったことってこと?(生意気言ってごめんなさい)。
作詞作曲は例によってレノン&マッカートニー。実際は別々に作成していることが多い彼らですが、この曲は正真正銘の共作。ボーカルも2人が通して一緒に歌っています。2人のハモリは最高ですね。
まず「途中から始まった!?」と錯覚するような唐突なイントロ(BメロのI can't hideの部分に重なる)。歌い出し直前のリズムギターには、R&B~ロックンロールへのリスペクトを感じます。Aメロはアップテンポにしたゴスペル?とも受け止められる雰囲気。ベースはポールらしさが爆発しています。この時からジェームス・ジェマーソンに影響を受けていたかはわかりませんが、非常に動きのあるベースが聴けます。
このようにみると、黒人・白人関係なくアメリカで受け入れられたのも納得できます。それから細かい部分にまでこだわっていたことも伝わります。
レノン&マッカートニーはお互いアイデアを出しながら即興で楽曲をつくることも多かったそうです。しかし偶然できたような曲でも、ヒットする必然性が存在した、ということが改めてわかります。
この曲の以後、彼らはさらなる名曲たちを数え切れないほど世に放出していきます。でも私はその曲たちの前にまずこの曲を聴くことをオススメします。理由は単純。
私がこの曲に思い入れがあるからです。
今日もありがとうございました。
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