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エッセイ

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2020年2月の記事一覧

雑記2020/02/22

紛い物が多い時代に生きている。
ポストモダンの建造物に囲まれて、複製を愛好し、手垢のついた流行を追いかけては、奇跡の一枚をネットに投稿する。

今日行ったのはスーパー銭湯。
露天風呂、自然な穴蔵に見えるけど、
実は石の配置を計算してそこから削り取ってできてるんだなあと感づいた。
だって座るのに心地よい石が、こんなにちょうどいいところにある。

それっていいことだ。切り取ったり、コラージュしたり、一

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雑記2020/02/20

雑記2020/02/20

とあるショッピングモール併設の映画館で映画を見て、それだけで帰るつもりだった。でも、映画館を出ると楽しげに歩く人々が目に飛び込んでくる。清潔に磨き上げられた床と吹き抜けの天井。パリッと爽やかなお洋服。洒落たカフェ。
本当にもう帰っちゃっていいの?まだ時間はあるのに?せっかくきたんだからもう少しここにいない?ちょっと見るだけでいいから。
といったような声が私の心の中にこだまし、ほんの少し、見てまわる

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雑記2020/02/18

私は度々この考えに取り憑かれる。
すべての人は自分の片割れであるということに。

同時に、他人をひどく恐れる時もある。
結局のところ私と彼(彼女)は相容れない関係だと、思い知らされる時など。

どちらも真理であると感じる。
すべての人が同じ一つの共同体にまとまることは不可能だ。
でも共感はできなくもない。
人には想像力がある。

人はそれぞれ物語を生きる。
他人の人生に思いを馳せることは、読書と同

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piece

私の指に乗っていたインコが飛び立つ時、パジャマの袖に足の爪を引っ掛けた。

ぎゃーと悲鳴をあげ飛べなくしてるので、私はインコをもう片方の手で掴み、具合を見るけど1人じゃ取れない。

そこで母に助けを求め、引っかかった糸を爪から外してもらった。

インコは一目散に飛んでいくかと思ったが、ぴょんと私の手に、飛び乗っただけだった。

こんなところにインコの信頼を垣間みて、にやけた朝。