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ぴぴぷる
2018年11月22日 01:13
古びた木製の扉を開けると、暗い店内の奥にカウンターがあるのが分かった。ひとつだけ置かれた蝋燭の小さな炎が、やけに明るく見える。「いらっしゃいませ」何時の間にかその隣に老齢の店員が立っていた。先程までは居なかったように思えるが、さだかではない。男は足早に中へ進むと、背の高い椅子にどかりと掛けた。「記憶を売ってるってのは本当か」店員はグラスを拭きながら「はい」と一言返事をした。すると