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ぴぴぷる
2019年12月2日 01:42
蛾が口のなかにいる頬の内側で ピタリと動かずわたしが悲しんだり 喜んだりした時だけ すこし羽ばたくこの乾いた不気味が 何度でも心を止めて巣から 離してくれない鱗粉が舌におちてくる言いようのない苦味が 唾液と共に溶けて侵食してくるだというのに 蛾を食べられずにいる頬の内側で ピタリと動かずわたしが憎んだり 嫉妬した時でも やはり羽ばたくこの乾いた不気味
2019年3月31日 23:57
安いワインを グラスに注いで喉をならして 汚い幸せを流し込むスカスカの魂から 垂れる涙を知っている者にしか 分からない苦しみがある埃まみれの誇り傷の少ない人生足踏みしすぎて 窪んだ場所から離れられずにいる自分が腐るのを 対岸から眺めてそれをつまみに ビールを流し込むスカスカの魂の 薄い悲鳴を聞いた者にしか 分からない苦しみがある。