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詩集
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2019年8月の記事一覧

ひとつの絵

ひとつの絵

まあるい月から 雫が垂れたと思ったら それは涙で

いや、それも見間違いで ただ網から油が 炭に落ちただけだった

重く蒸発するようなその音は 一瞬のドラムのように静寂の中に響き また、虫の声が広がっていく

僕の目の前には 愛しい人が ハンモックで寝ていて 

いつものように イビキをかいている

音楽とも言えない音の重なりが 心に沁みてきて

また、僕は酒を呑む

幸せは 移ろうものと知りつ

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