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AIが絶対に勝てない微細なわざ

モヤシのヒゲ根って、取ったことありますか?

ヒゲ根というのは、もやし一袋に 10g 程度含まれる、根っこの部分です。
ここははっきりいうと美味しくない部分です。

料理屋では、これを取るか取らないかで、ぜんぜん美味しさが変わってしまいますので
必ず取ります。

しかし料理のレシピにはほぼ書いてありません。

もやしの胡麻和えのレシピの最初の部分

実はこうしたことが「職人のわざ」なのです。
わざと言っても技術は必要としません。

職人というのはこういう経験からくる、ごくわずかな違い、知識を
途方もなくため込んでいて、瞬時に最適解を導き出せる人のことです。

学校の授業でも教師は職人なので、子どもたちの動きにあわせて
言い方や対応を変えていきます。

それらの多くは賞賛されることのない「職人のわざ」なのですが
それがAIにはできない人間の感性なのです。

エビのしっぽの先っちょをカットする理由や、オムライスにケチャップを入れる順番と言った、
小さいけれど決して無視できない技をいくつもっているか、
チョークの持ち方で書ける線の違いや、出したいものはじらして見せるといった
微細な教育技術が、授業の質を本来的には決めているのです。

だからコンテンツのデジタル授業やテレワークや体験のない授業は
授業じゃないのです。

AIがどんなに学びを深めても感情は学べません。
AIが人間の「職人わざ」に追いつくのは少なくとも今日、明日ではない。

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