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京都大学/国語(現代文)

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2022年11月の記事一覧

2013京都大学/国語/第二問(理系)/解答解説

2013京都大学/国語/第二問(理系)/解答解説

【2013京都大学/国語/第二問(理系)/解答解説】

〈本文理解〉
出典は尼ヶ崎彬『日本のレトリック』。著者は美学者(Twitterアカウント有)。
①段落。たとえば、夜道を歩いていると前方に巨大な影が動いていたとする。よく見ると柳が風に揺れているのである。しかしそれは単なる柳というより、何か生き物のような不気味さを感じさせる。私はその物の辞書上の名前が「柳」であることを知っている。しかしそれを

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2014京都大学/国語/第一問/解答解説

2014京都大学/国語/第一問/解答解説

【2014京都大学/国語/第一問/解答解説】

〈本文理解〉
出典は石原吉郎の随想「望郷と海」。筆者は詩人。
前書きに「著者が1941年に満州へ派遣され、45年の日本の降伏後にソビエト連邦軍に抑留されてのち、49年に重労働の判決を受けた前後を回想したものである」とある。
①段落。起訴と判決をはさむほぼふた月を、私は独房へ放置された。とだえては昂ぶる思郷の想いが、すがりつくような望郷の願いに変ったの

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2014京都大学/国語/第二問(理系)/解答解説

2014京都大学/国語/第二問(理系)/解答解説

【2014京都大学/国語/第二問(理系)/解答解説】

〈本文理解〉
出典は大庭みな子の随想「創作」。大庭みな子は小説家で、京大お馴染みの「内向の作家」に含まれることもある。
①段落。嵐にゆれ動いている木や、波立っている海を見て、あの木のゆれ方はあまり良くないとか、波の形がなっていないとか批評する人はいない。同様に優れた作品は、作家の手つきが見えないままに、読者をのめり込ませる。傑作はつらなり合う

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