【ゆるフォトエッセイ】あおくてあつい
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生しらすを堪能したあと、我々は海岸を歩いた。
海から離れた場所を歩くと、砂がふかふかすぎて足が沈みそうになるので、水に濡れて固くなっている波打ち際ギリギリを歩いた。
海岸には、大きな砂絵からアイドルの名前まで、さまざまなアートが刻まれていた。
すると、海外からいらしたと思しき1人の紳士に声をかけられた。
紳士「これは英語でいうとなに?(英語で)」
(英語で話しかけられた…)(訳を知りたがってるな…)(侵略って英語でなんていうんだっけ…?)
心の中で会話する私と友人。
私「ちょっと調べますね!(日本語で)」
困ったらGoogle。一心不乱に調べる私たち。怪訝な顔をする紳士。そりゃそうだ。
当たり前だが、言葉を知らなければ話すことができない。なんという語彙量の少なさ…悲しくなった。
侵略は英語でinvasion。これを伝えれば一件落着…と、思いきや、紳士は続けた。
紳士「Invasion of…?」
なんということだ…これが日本語と英語の違いか。
日本語は主語や目的語がなくてもなんとなく伝わる部分があるが(個人の感想)、英語はそうもいかないのだ。
何を侵略したいのか、それはこの砂絵の作者しか知り得ない。いや、特に侵略したいものなどないのかもしれない。
英語で伝えるか…?いや、私の語彙力では無理だ。さて、どうする…
この間、体感で0.2秒。コミュニケーションは間があるほど流れが悪くなる。止めてはいけない。
私は咄嗟に答えた。
「サムシング…!」
頼む、受け止めてくれ…
すると紳士は納得した様子で「OK」とだけ答え、「Goodbye」と我々の元から去っていった。
よかったのだろうか、こんなことで。
友人はひたすら
「てか『ゲン』って何?」
と言っていたが、多分「ゲソ」って書きたかったんじゃないかな。
つづく
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