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「Camélia Ododo」&「Metzi」 さんぱうろぐるめをっちゃー 宮本碧 月刊ピンドラーマ2022年12月号


Camélia Ododo

R. Girassol, 451B - Vila Madalena
Tel: (11) 3815-7987

Camélia Ododo

カメリア・オドドという不思議な名前を持つヴィーガンレストラン。このレストランを開いたのは著名な黒人アーティスト、ジルベルト・ジル氏の娘で料理研究家のベラ・ジルさん。カメリアは椿の意味もあるが、ベラさんの両親が夕食後にいつも飲んでいた緑茶の学名の一部でもあるという。また、オドドはナイジェリアなど西アフリカに住むヨルバ族の方言で『花』を意味する。ブラジルでは目に見えない黒人差別が今でも存在することから、オドドには第二の黒人解放の願いが込められているという。

前置きが長くなったが、カメリア・オドドは食べる人の健康や環境、小規模農家支援などにも配慮したヴィーガンレストランで卵や乳製品を一切使わず、すべての料理がプラントベースである。

この日頼んだ日替わり定食のストロガノフにはジャッカ(ドリアン)が使われていた。果物の甘味はなく煮込まれたジャッカの歯ごたえは鶏肉のようである。これに玄米とバナナのファロッファ(キャッサバ粉を野菜などと炒めた物)が付き、十分食べ応えがある。

ジャッカのストロガノフ

友人が頼んだクリームパスタも味見させてもらったが、ナッツから作られたクリームは癖がなくまろやか。

デザートのバノフィーパイが秀逸。普通バージョンはバナナ、キャラメル、生クリームから作られたかなり濃厚なものであるが、カメリアのバノフィーはクランブル、キャラメルソース、ココナッツクリーム、コーヒーからできていて軽い口当たり。

バノフィーパイ


Metzi

R. João Moura, 861 - Pinheiros
Tel: (11) 98045-5022

metzi

Metziはニューヨークのメキシカンレストランで働いている時に知り合ったメキシコのオアハカ出身のご主人とブラジル人の奥さんがシェフを務めるレストランである。

タコスはたまに無性に食べたくなる食べ物の1つであるが、サンパウロで普通に食べられるタコスは豆とワカモレがいっぱい詰まった1つを食べるのがやっとというものがほとんどであるが、Metziのタコスはとても軽い。

この日頼んだタコスは生のマグロ、パクチー、それにPANCsと呼ばれる、食べられるが、一般に流通していない野菜(草?)が載ったもの。唐辛子ソースをかけて食べると唐辛子の辛味、PANCsの苦味、マグロの旨味が混じり合ってうっとりするおいしさ。

生マグロのタコス

エビのジャブチカバソース添えにPANCsが載った一品もエビが半生でねっとりと甘い。

エビのジャブチカバソース添えにPANCsが載った一品

マヤ文明の頃から食べられているという羊のバルバコアは地面に穴を掘って蒸し焼きにされたわけではないだろうが、溶けるような柔らかさである。

今回はメキシコの代表的な料理の1つでさまざまな香辛料を煮込んで作られるソース、モレを食べ損ねたが、次回は是非チャレンジしたい。


宮本碧
最初は留学生としてブラジルに来たが、ブラジルにはまり、現在ブラジル在住約30年。食べることが大好きで、どんなに落ち込んでいてもおいしいものを食べると幸せな気分になれる。翻訳業。

月刊ピンドラーマ2022年12月号
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