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「Mocotó Vila Leopordina」&「Charco」 さんぱうろぐるめをっちゃー 宮本碧 月刊ピンドラーマ2024年3月号


Mocotó Vila Leopordina

所在地:R. Aroaba, 333 - Vila Leopoldina
電話:(11) 3294-4814
Instagram:
@mocotorestaurante

ブラジル北東部の料理で名高いモコトは以前、ヴィラ・マデイラスというサンパウロ市北部のとんでもなく遠いところにしかなく、私が住んでいるベラ・ヴィスタ区からはサンパウロ市を横断する感じで、また、12時には行列ができることから、お昼ご飯食べるのに家を10時半頃には出なければならなかった。そのため、サンパウロ州の台所、セアーザがあるヴィラ・レオポルジーナに昨年4月に2号店がオープンしたというニュースを聞きうれしくなった。

北東部から移住してきたゼー・アウメイダさんが数十年前に開いた1号店が人気を呼び、現在は料理を本格的に勉強し、テレビのマスターシェフという番組にも出演している息子のロドリーゴ・オリヴェイラさんが料理もレストランもグレードアップを図った。近いと言っても家から40分ほどかかり、12時少し過ぎに着いた時には既に行列ができていた。しかし、番号札をもらえばレストランの軒先のベンチや立ち席でおつまみをつまみながら順番を待つことができる。

豚バラ肉の唐揚げ

おつまみと言えば、外はカリッ、中はジューシで湯気が立つ熱々にレモンを絞って食べる豚バラ肉の唐揚げはビールやカイピリーニャにピッタリ。ここのカイピリーニャは大きなコップにフルーツとともになみなみと注がれており、美しい。メインには焼いた干し肉を食べたが、全くしょっぱくなく、柔らかかった。この日は食べなかったが、この店の有名な料理は牛の筋の煮込み。長時間、煮込んでトロトロになった牛の筋は見るからに肌に良さそう。料理がおいしいだけでなく、人々が楽しく語り合う満席のカラフルな店内は気分まで引き上げてくれる。

焼いた干し肉


Charco

所在地:Rua Peixoto Gomide, 1492 - Jardim Paulista
電話:(11) 3063-0360
Instagram:
@charcorestaurante

以前から気になっていたが、これまで行くチャンスがなかったCharcoに行ってみた。Charcoはスペイン語では木炭を意味し、炭火焼料理が売物のレストラン。炭火焼料理と言うと豪快な料理を思い浮かべるが、Charcoの料理は一品一品がとても繊細。メニューの数も少なく、新鮮な野菜や肉の持味を生かしたミニマリスト料理。バターやヤギのチーズ、腸詰類もレストラン内で作られており、料理に対する強い思いが感じられる。

ププーニャのアペリティフ

最初に頼んだコテキーノというアペリティフは焼いたブリオッシュの上に腸詰の中身、玉ねぎのピクルスと粒マスタードが載っており、口に入れた時の甘さ、しょっぱさ、酸っぱさ、辛みという複雑な味わいが癖になる。表面のみを焼いたププーニャ(ヤシの若芽)を薄切りにし、その上にキャビアが載せられたアペルティフはまさにミニマリストで潔い。メインの黒豚や牛肉のスペアリブなどもちょうど良い焼き加減。本日の魚はXO醤で味付けされた東洋的な味。料理はおいしくても、デザートの段階でがっくりすることが多いが、このレストランにはシェフパティシェがいて、最後まで期待は裏切られない。ジャブチカバ、ミルクとハチミツ、タヒニ(中東のゴマペースト調味料)と3種類のデザートを頼んだが、どれも甲乙つけがたいおいしさであった。

デザート


宮本碧
最初は留学生としてブラジルに来たが、ブラジルにはまり、現在ブラジル在住約30年。食べることが大好きで、どんなに落ち込んでいてもおいしいものを食べると幸せな気分になれる。翻訳業。

月刊ピンドラーマ2024年3月号表紙

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