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生成AIがあればもう英語学習はいらないのか?

🐬進化スピードがヤバい

まずはこの82秒間の動画をご覧になってください。

どう思われましたか?

私は端的に”””””ヤバい”””””と思いました。

ChatGPTが一般公開されて普及したのがおそらく2023年だったと思うのですが、それからものの1年でこれです。
この圧倒的な人間らしさ
音声・画像認識能力(マルチモーダリティ)。
そして生成AIの最大の弱点とされていたリアクション・タイム。これも人間の平均的な応答時間と同程度の水準まで向上したそうです。
いよいよシンギュラリティが近づいてきたことを感じます。

また、言語モデルについても変更があったようです。
GPT4までは
日本語でプロンプト入力→英語に翻訳→日本語に再翻訳
という無駄の多い手順で応答していたようなので、翻訳ミスによる誤解・誤訳なども目立ちました。

しかし今は日本語を日本語として処理できるそうです。
日本語に関しても十分なデータが蓄積されたんですかね。

実際に☝️の動画(ライブ配信)ではマルチ言語による会話や、意思疎通をしながら数学の問題を解く様子などが確認できます。超長いのですが面白いので是非。

というわけで、このように画期的なツールが今後英語界隈に及ぼす影響を予測してみました。
できるだけ危機感を煽るような内容にはならないように配慮しましたが、与太話だと一笑に付していただければ幸いです。

🐬翻訳業の寡占化

まず翻訳に関してはこだわりのある会社以外はAIに頼ることになると思います。
書籍以上に翻訳が難しそうなアニメ・マンガ産業においても、既に企業レベルでAI導入が始まっています。

スピード・コスト面だけ考えれば当然の帰結と言えます。

とはいえすべてがAI化するわけではないと思います。
電子書籍が普及しても紙の本に一定の需要が残ったように、「人の手による」翻訳に一定の価値が残るからです。
あと(少なくとも現状は)人間によるチェックも必要ですからね。

それでも翻訳業の需要は大幅に減ると思います。
ほとんどの翻訳作業が「GPTでよくね」ってなってしまうからです。
信頼のある翻訳家以外は仕事を取り付けるのが難しくなると予想します。

🐬通訳業の属人性強化

先日このようなPostを見かけました。
内容の真偽はともかく、日本人にとって訓戒となるなものではないでしょうか。
というのも、(青年期以降に)英語を本気で学んだことのある方なら、第二言語を習得するコストの大きさはご存じだと思います。
それほどの人材を探すのはお金も時間もかかります。
雇用する側の視点に立っても、案内所に英語が堪能な人間を立たせるコストと、観光案内用の知識をインプットした生成AIを導入・管理するコストを比較したとき、後者が下回る日も近いと思います。

個人的には通訳業についてはまだ当分大丈夫だろうと踏んでいたのですが、先程のオープンAIのリリース動画を見て自信がなくなってしまいました。

従来の通訳アプリって、使ってみるとわかるんですが、精度以上にタイムラグが鬱陶しかったんですね。
それが今では平均的な人間並みのリアクションタイムになってしまいました。

精度についても、今後どんどん上がっていくので平均的な誤訳率はいずれプロの翻訳家を上回ると思います。それもそう遠くない未来の話。

とはいえ、それでもやはり「人の手による」という部分に大きな価値が残ります。
この点は翻訳以上に比重が大きいでしょう。
通訳は対面性が大きな価値を持つからです。
"ロボット"ではなく人に案内してもらいたい人というのは残り続けるはずです。

その反射的効果として、通訳者には、トップレベルの英語力(+通訳能力)は前提として、ホスピタリティなど何らかのプラスαが求められるようになると思います。

🐬いわゆる情弱ビジネスの跋扈

例えばですが、「AIを使えば誰でも月収50万円の翻訳家になれる!」のようなビジネスが隆盛することが考えられます。
オープンAIは一般公開されているため、企業の視点に立てば「AIを利用する翻訳家を雇おう」とはならず、むしろ中間コスト削減のために「自分でAIで翻訳しよう」となるであろうことはちょっと考えればわかると思うのですが、やはり「AI」「誰でも月収50万円」のようにキャッチーな言葉に釣られる被害者は後をたたないようです。

↓最近ようやく問題視され始めたようです。

🐬では英語学習は無意味なのか

今後、語学は年賀状みたいなものになると思います。
今時、10代20代で年賀状を出す習慣のある方は少ないと思います。
それは手紙を出さずともメール、LINE、DM等で即時に賀正を伝えられるからです。
それでも結婚後などは敢えて手紙を出しますよね。
それは手紙で送ることに価値があるからです。

同様に、翻訳機があれば誰でも会話はできます。
でも敢えて言語を学び、翻訳機なしで会話をする。そこに価値が生まれる。

私はこれを「語学=年賀状理論」と名付けました。

おしまい!

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🐬書いてる人

ひょーどる

・2013年に早稲田政治経済学部経済学科を卒業。
・その後理系に転身し、2014年前期日程で東京大学教養学部理科二類を再受験するも不合格。同年後期日程で山梨大学医学部医学科に合格するも、進学しませんでした(記事)。
2015年東京大学教養大学理科二類を再び受け直し、合格🌸(記事
・家賃と生活費を自分で支払いながら第二の大学生活を送ることに。
・4年間の休学と1年間の降年を経て、2024年春に文学部人文学科を卒業しました。(英語英米文学専修課程に在籍していましたが、卒論を書かなかったので専修課程修了ではなく学科卒業という扱いになります。)
TOEIC990点実用英語検定1級国連英検特A級一次試験に2回合格(なお2次試験で敗退しました。記事
・TOEICはこれまで新旧合わせて35回受けました。旧形式は10回、新形式は25回です(新形式スコア平均値959.8, 中央値960.0, 最大値990)。
2022年と2023年司法試験予備試験短答式試験に合格し、論文式試験で敗退しました。
・英語ジムらいおんとひよこで黎明期からトレーナーを務めさせていただきはや6年目です。
・2022年に医学部対策専門オンラインスクールMedical Hubを開校いたしました。
・2023年にMedical Hubから英語部門を独立させて英語ハブを立ち上げました。

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