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アメリカ人って名称に想いを馳せる #43

長い独り言です。
意見が食い違っても、厳しく叩かないでください。
皆さまの考えはぜひ聞きたいので、いいね&コメントは大歓迎です!!



13年ほど前 (そんなに前か…)、私はニューヨークに引っ越した。
親の仕事の関係で、急にアメリカに住むことになって、現地の小学校にも通い始めた。日本の9歳の拙い英語では、人とのコミュニケーションを図るのもかなり難しかったけど、優しいクラスメートとか素敵な日本人コミュニティに囲まれて、人に恵まれていたおかげで、英語力もグイグイ伸びたなって思ってる。

今でも、あの経験があったから今の私があるって本気で思ってるくらい。

そんな経験の中で、私を言語的にも精神的にも、一番支えてくれた親友ができた。
それがClara。

アメリカに引っ越してすぐの4th gradeのクラスが一緒で、最初からすんごく優しくしてくれて、クラスメートとの会話を助けてくれたり、授業の聞き逃したところを教えてくれたり、他の友達に紹介してくれたり、もう今思えば信じられないくらい優しい良い子だった。
私が生意気すぎるのと、英語力が足りなさすぎて、何度かしょーもない喧嘩もしたけど、でもすぐに仲直りするくらい仲良かったんだよね。

Claraは韓国人だった。

"I'm a Korean" って事あるごとに言ってたし、私とも、髪の色とか目の色が一緒だね〜なんてよく話してた。
私も、Claraは韓国人だと思ってた。

けど、Claraは韓国語を喋れなかった。
ニューヨークで生まれ(ボストンって言ってた気もする?)、ニューヨークで育って、英語に囲まれて生きてきた子。
親はどちらも韓国で育って韓国語を母国語としているけど、Claraたち娘息子と話す時はいつだって英語。Claraには韓国の名前もあるみたいだったけど、韓国語を学んだこともないって言ってた。
英語は当たり前にペラッペラだし、不自由ない様子だった。

Claraもアジア人の見た目で苦労することあったのかな…
まああるよねきっと。考えたこともなかったな。


2011年に日本に帰ってから、私は英語を必死に勉強した。
アメリカに住んだ経験に感化されて、私もあんなふうに英語喋れるようになりたい!って強く思ったのが大きいと思う。

でもそれと同時に、NationalityとかIdentityについて考え始めるようになった。

私は間違いなく日本人だし、日本語を話すし、自分のIdentityを考えたこともない。なぜなら他人が見る私と、自分が考える私が一致しているから。

ここでClaraのことを考えるようになった。
アメリカで育って英語を話すけど、見た目は韓国人。彼女を知らない人は、彼女を韓国人と思うだろうね。

でもこれって韓国人って言うの?

私は、Claraは韓国人じゃなくてアメリカ人じゃん?って思うようになった。あの時のクラスには、中国ルーツのKenやJasonとか、アフリカルーツのZeynepとか、ヨーロッパルーツのOliviaやLuiseがいたけど、みんなアメリカ人でしょ?って思ってた。

どんなにNationalityとかRoots (ルーツって言葉、アメリカ人好きよね) がアメリカではなくても、アメリカで育ったんならアメリカ人じゃない?ってずっと思ってきた。


で、はっきり言ってその「偏見」を持ったまま、アメリカに留学しに来たわけ。

当たり前だけどアメリカは、特にカリフォルニアのアーバインは、色んな人種の人がいる。

見るからに人種が違う人もいれば、話してみたら違う国のルーツだった人もいる。

今学校で仲良くしているクラスメートはフィリピンルーツ、ESLの時の先生は北欧ルーツとマレーシアルーツ、スポーツ友達は中国ルーツ、飲み友達はフィリピンと中国ルーツ、この間行った美容院のスタイリストは韓国ルーツだったし、飲み会に行ったらいろんな国の話を聞いた。

要は、アメリカ生まれアメリカ育ちの「アメリカ人」でも、アメリカのみの血が流れてる人なんていないってこと。
まあこれはわかっていたことだけど、実際にアメリカで暮らして、より実感したな。

そして一番びっくりしたのは、そんな「アメリカ人」の友達は皆、
"I'm a Chinese"
"Oh my parents are Filipinos and so am I"
"I'm half Korean and half Chinese. I only speak English tho hahaha"
なんて言うんだよね。

え、アメリカンじゃないわけ?ってすごい思った。その経歴じゃ中国人って名乗るの違くない?って思ったりして。

でも彼らは誇らしげに自分のルーツを語るし、「私は〇〇人」ってキッパリと言い切る。

そういうのを聞いてて、アメリカ人ってなんだろうってすごい考えるようになった。

国籍は?って聞かれたら、みんなアメリカって言うけど、ルーツは人それぞれ存在する。
日本に全くない感覚で、なんかとても大事なことを学んでいる気がする。


アメリカでは、少なからず私の周りでは、
ものすごく"観光客"って見た目の人以外は、
"Where are you from?"
って質問はされない。
私はこっちに来てからほとんど聞かれたことがない。英語の教科書には一番最初に載ってるのにね。

その代わりに、
"What's your nationality?"
"What/where's your roots?"
"Where did your family originally come from?"
"Have you been living here for a whole life?"
"Are you from around here?"

なんて聞き方をする。

最後のは私が気に入ってて、自分でもよく使う表現かな。

つまり、どこ出身?って質問は、アメリカではメジャーじゃない。

どこ出身?って、要は「あなたはここじゃないどこかの人でしょ」って決めつけている質問だし、それってすごく失礼。
私も "Where are you from?" って聞かれたら、あまり良い気持ちはしないかも。顔だけでアメリカ出身じゃないって決めつけてるの?って不満に思っちゃう。

それよりも、どこにルーツがあるの?ここにずっと住んでるの?って聞く方が、相手に興味を持っている感じがして、素敵なコミュニケーションの始め方だと思うんだよね。

スーパーの店員、Uberの運ちゃん、バスで隣に座った人、などなど、アメリカではたっくさんの場所でスモールトークをする場があるけど、この会話をする機会は多い。
アメリカに住む人は、みんながみんな特殊なルーツを持っていて、誰とこの話題で話しても話が弾むんだよね!!


最初の話に戻るけど、親友のClaraは確かに韓国人だと思う。アメリカ人って言うこともできるけど、彼女自身が韓国人って言うなら韓国人なんだね。

極端な話、日本で暮らしてきた人は、「アメリカに住むアメリカ人っぽい見た目の人はみんなアメリカ人」って思ってるんじゃない?「見た目が違う人はみんな移民」みたいな。
それは違う。

逆に私のお母さんは、
「アメリカに暮らす人はみんなアメリカ人」って思ってるんだと思う。私もずっとそう思ってきた。
それもまたちょっと違う。

もちろんアメリカに暮らす人はみんな「私はアメリカ人です」って言うことはできるんだけど、自分が "Pure American" だなんて言う人ってあんまりいないんじゃないかな。
国籍が違ったりどこかしらにルーツがあったりして、自分のIdentityを誇りに思ってる人ってすごく多い

だから韓国ルーツの子は "I'm a Korean" って言いがちだし、 "My family is actually..." なんて話もよく上がる。

いやー面白いね!!

自分で例えるのは烏滸がましい気もするけど、
例えば私がいずれ結婚して、日本じゃないどこかに住むことになったとして、外国籍を持つ子供を産んで、日本以外で育てるとしても (アホらしい仮定だな)、
自分の子供には、自信を持って "I'm a Japanese" って言って欲しいんよね。

 You know what I mean???


まあ結局まとまりはなくなったけどそゆこと。

アメリカに来て「アメリカ人」への考え方が変わったなあって話。

お母さんとか、海外を知らない彼氏とか、「ぴおりはほぼアメリカ人だよ〜」とか言ってる友達みんなに、こういう持論を語りたいんだけど、こんな話をする機会ってあんまりないしね。仲良い人とこういう話題で真剣に話すのは案外難しいし。


拙い日本語で綴ってみたけど、誰かに響くと良いな。

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