【おはなし】 もうすぐ工事中
どうも、わたしは帽子です。
作者の頭に乗っかってる変な形をしてるやつです。プロフィールのアイコンっていうんですかね? あれに写っているジャガイモみたいな見た目の変な帽子がわたしです。
どうやら作者はリニューアルを検討しているみたいです。わたしは帽子ですから作者の考えていることがまるわかりなのです、はい。
それでですね、今日はわたしが入手した極秘情報をですね、こっそりとみなさまにお伝えするために参じたわけであります。
どうやら作者は、統一感のあるページにしたいと考えているみたいです。
どうやら作者は、記事を販売しておこづかいを稼ごうと考えているみたいです。
どうやら作者は、まだハッキリとは決めてないみたいです。
基本的には、作者とわたしが協力して一話完結のおはなしをつくっているのですが、最近の作者はビールを相棒におはなしをつくることが増えてきました。そのため作者の脳内の交差点では、交通渋滞が発生しておりまして・・・。
「オイ、あの記事にでてきた登場人物がこの記事にもでてきてるぞ!」
「物語の時系列がバラバラじゃないか!」
といったクレームがわたしのところへ届いております。ご迷惑をおかけして申し訳ございません。
すこ〜しだけ、いいわけをさせていただきますとですね、作者とわたしはルーズリーフみたいなページ構成でおはなしをつくっているのです。
こう考えてください。
1枚ずつ取り外せるルーズリーフに1話完結のおはなしが書いてある。だけど、ときどき連作物が混じっている。さらに、屋外のキャンプ場でおはなしを書いているので風に揺られてページがランダムに入れ替わってしまった、と。
「な〜んだ、風の仕業か」とご納得いただけるとありがたいのですが・・・。
「なんやて? そしたらまるでうちが悪いみたいやんか!」
えーっと、どちらさまでしょうか?
「うちは、風属性のリナや」
もう少し具体的にお願いします。
「そやな、短かすぎたか。うちは『風の揺らぎ』というおはなしにでてくる主人公や。せやけど、『どこかの戸棚にて』ではサブキャラ扱いや。さらに『スイの雑貨屋さん日誌』のおはなしでは、まあまあ重要な役やけど、今は非表示になって読まれへんときたもんや」
なるほど、それでご立腹なのですね。
「先輩、あそこで女の子がさけんでますよ」
「オレは忙しいからキミが調べてきてくれよ」
おふたりは、たしか『かくしんぼ』とか『写真はイメージです。』にでてくるコンビですね。作者のリアルな日常を無理やりおはなし化しているため、ウソを演じることにいつもご苦労されているとか、いないとか。
「オマエたちを・・・殲滅する」
えーっと、あなたはたしか、ライフルを持った朴蘭さん。あなたはまだキャラが固まってないんですから出てきちゃいけません。
「スマ・・・ナイ」
「なんや、ぎょーさん出てきよってから。そろそろうちのはなしを聞いてくれるか」
はい、すみません。リナさん、どうぞ。
「ようは、リニューアルに向けた告知ってことやろ? そやったらうちがここで歌って踊るのが一番目立ってええと思うんやけど、どや?」
ええ、それが最善の方法なのですが・・・
「なんや?」
わたしたちには動画のスキルがありません。
「はぁ。そりゃしゃーない」
「おいおい、姉ちゃん。腹が減ってイライラしとるんか? わしのカチカチのパンを分けたろか?」
「おい、サンカク。あんたのことはうちも知っとる。せやけど、うちらが絡むシーンはずいぶん先や」
「絡むって、そんな誤解を招く発言はあかんで」
「チッ。相変わらずあんたとは話が合わへん。うちはもう行くわ」
アイスコーヒーを飲み干したうちは、レジに向かうと顔馴染みのウエイターに伝票を渡した。
「450円です」
「はい、おつりはええよ」
「いつもありがとうございます」
「うちら、この先どうなると思う?」
「さあ、私はただのウエイターですから」
「なるようにしかならへんか」
「そういえば、手紙を歩いて配っている青年もいましたね」
「登場人物が多すぎるねん。整理してから出直してこいっちゅうねん」
「私からも作者にお伝えしておきます」
「よろしゅう頼むわ。ほな」
おしまい