英文法 | 曖昧になる形容詞と副詞について
簡潔な表現は記憶に残りやすい。そして、簡潔であるがゆえに、難しいことは考えずそのまま暗記して深く考えないことが多い。しかし、ふとした瞬間に「なんで?」と考え込んでしまうことがある。
例えば「Take it easy.」という表現。
「気楽にいこう!」という意味だから、気楽に覚えた表現だが、不思議と言えば不思議な表現だ。
easyという単語は基本的に形容詞である。「簡単な」「容易な」という意味だから、「take it easy」ではなく「take it easily」のほうが文法的にしっくり来るような感じがする。
また「take it easy」のeasyが形容詞ならば、「paint the wall white」のように「第5文型」(SVOC)の文型だと考えれば良いのだが、「take」という単語は、一般的に第5文型をとらない動詞だ。
だから、いずれにせよ、「take it easy」という表現には、(考えはじめると)違和感をもつ。
それはそういうものとして覚えればいいのだが、意外と形容詞と副詞は曖昧になることが多い。
同様な例には「Don't take it serious.」がある。「深刻に考えるな!」という意味だが、「take it easy」という言い方ほど「定型表現」にはなっていない様子。
「take it easily」は一度も見たことがないが、「Don't take it seriously.」は「Don't take it serious.」と同じくらいよく見かける言い方である。
たまに私が思い出したように気になる別の言い回しには
「I was born rich.」
(裕福な家庭に生まれた)
「I was born poor.」
(貧しい家庭に生まれた)がある。
文法書では、これらの文の「poor」や「rich」は「補語」だ、と説明されていることが多いが、なんとなく違和感が残る。
これも「take it easy」と同じように定型表現として覚えてしまえばいいのだが、「なんで?」と考えると違和感がある。
私は「I was born, being poor.」とか、「I was born, being rich.」のように、分詞構文の「being」が省略された形と考えて溜飲を下げているがどうなんだろう?
「Don't take it serious.」「Don't take it seriously.」に関しては、たしか大西泰斗先生の著書に、「it is serious」(それは深刻だ)と「take」(受けとる)するな!、というイメージだと書かれていたと記憶している。しかし、「take」はcallやpaintという動詞ほど第5文型の動詞としては使われないから、いまだに違和感を持っている。
もし私と同じように違和感をもつ方、あるいは明快な説明をすることができる方がいらっしゃったら、コメントをいただけると有難いです。
記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします