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詩 | スチール缶の煙草

薄明かりの街灯に照らされた
仕事終わりの公園で
ベンチに腰をおろした

あぁ この公園からも
灰皿が撤去されていたんだと
いまさらながらに気がついた

そうだ 自販機でもいいかと
コーヒーを1本買って
灰皿にすることを思いたった

口を開けブラックのコーヒーを
流し込んだが半分飲んで
もういいやという気持ちになった

3分の1のコーヒーは
タバコの火を消すために
ぜいたくに使おう

タバコを1本取り出して
ライターで火を着けた
ちょっと熱を感じた

息を吸い込み
ふぅとゆっくり煙を吐いた
ゆらゆらと煙が漂流しながら
虚空に消えていった

もう1本吸おうかと
またライターで火を着けた
今度はまっすぐのぼった

喉が乾いた
思わず僕は
手に持つコーヒーを
飲み込んでしまった

あぁこれは タバコの味だな
やっぱり1本で
やめておけばよかった




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