短編小説 | 1人なのに2人、2人なのに1人
女と抱き合っていたとき
この女は前世の自分に
違いないと直感した
男と舌をからめていたとき
この男は前世の自分に
違いないと直感した
男も女もお互いに
二度と前世の自分を
離すまいと
かたく抱きしめ合った
お互いの汗と体液で
びっしょりになった
気がつくと
男と女は自らの
体液の中に浮かんでいた
「ここはどこ?」
「どこかのオンナの子宮の中さ」
「私たちは双子?」
「違うね、ほら君と僕はひとつになっていくところさ」
「やっと私たち、ひとりの人間に戻れるのね」
次の瞬間、私たちふたりは、あらゆる部位を共有していることに気がついた。手も足も性器も何もかも。。。
記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします