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【読書感想文】「人生100年時代の年金戦略」を読んで学べたこと3つ

本日は「人生100年時代の年金戦略」田村 正之 著を読んだ感想について共有します。ボリュームのある本でしたが、年金制度の仕組みや付き合い方、もらえると見込める具体的な金額が分かり大変勉強になりました!

学んだこと①|年金の繰り下げ需給がお得

年金は通常65歳から受け取れますが、実は最大5年の繰り上げ受給、繰り下げ需給が可能で、受給開始時期が60~70歳から選べるようになっています。

繰り上げる場合は1年につき6%受け取れる額が下がり、60歳から受け取ると本来の額の70%に減ってしまいます。この割合は終身まで続きます。

一方で、繰り下げる場合は1年につき8.4%受け取れる額が上がり、70歳から受け取るとなんと本来の額の142%に増額されます。この場合も、この金額を終身までもらい続けることができます。

70歳まで繰り下げた場合は、81歳まで生きれば元が取れるそうです。今後平均寿命ものびると予想されるため、受給金額の期待値は繰り下げた方が高くなりそうです。

確定拠出年金(iDeCo含む)、NISAなどの制度を利用して70歳までやり繰りし、それ以降増額された年金に頼るといった形も良さそうですね!

年金手帳

学んだこと②|年金は本来保険なので必ず払った額還ってくるとは限らない

年金はメディアの報道などで良くないイメージがつきがちだと思います。払った額が還ってこないんでしょ、という意見も聞かれます。

しかし、年金は本来保険であり、保険とは災害や事故などの"リスク"に備えるものだとわかりました。

多くの人からお金を集め、"リスク"にあたってしまった人にお金が支払われます。これに対して文句を言う人はいないと思われます。

年金は①老齢②障害③遺族のリスクに備えていて、リスクに直面した人に支払われるものだと理解しておけば不満も解消されるのではないでしょうか!

学んだこと③|老後に必要な金額と資産形成戦略のイメージができた

年金の知識と切って離せない老後の生活費についても取り上げられています。

老後を65歳から30年間とすると、

"普通"の生活に必要なお金:1億360万円
月26万円×12月×30年+予備費1人500万円×2人
※総務省の家計調査より。高齢夫婦無職世帯の平均
"ゆとりのある"生活に必要なお金:1億3600万円
月35万円×12月×30年+予備費1人500万円×2人
※生命保険文化センターの調査より。

となるそうです。正直、総額ベースではぴんと来ないと思います。

しかし、毎月受け取れる年金ベースだと想像しやすいと思いました。

例えばリタイアするまで正社員を続けた場合の厚生年金と基礎年金の合計額の平均的な水準は夫16万円、妻が12万円程度であるそうです。

共働きを続けた場合、「28万円×12月×30年×0.9(税収)」=9,000万円強となり、退職金2,000万円前後を含めると別の資産形成にそれほど力を入れなくても"ゆとりのある"生活が視野に入ってくることがわかります。

会社員と専業主婦の家庭の場合、貰える年金総額が7,000万円強※となるため、老後の生活にゆとりをもたせたければ少し資産形成に力を入れる。
※あくまで予想値です。

といった判断ができるようになります。

必要以上に「お金を貯めないと…」と思うことがなくなれば、自己投資などに回せる資金も増えますので、年金と老後の生活について勉強しておくことは本当に大切だと思いました!

年金①

まとめ

以下のようなことを学ぶことができ、読んで良かったと思いました。

①|年金の繰り下げ需給がお得
②|年金は本来保険なので必ず払った額還ってくるとは限らない
③|老後に必要な金額と資産形成戦略のイメージができた

終盤には国の資産形成制度(確定拠出年金やNISA)のことも解説されておりました。ボリュームがあるので、自分の興味のあるところを読む読み方もおすすめです。

それでは^^

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