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いくみ奥様ストーリー③

「竜二さん大変です。工事が遅れているそうです」
 現場の様子を見に行った後輩が、急いで戻ってきた。どうやら工期に遅れが出ていて、まだ内装工事に入れないらしい。
「そんな事、なにも連絡もらってないぞ?」
 俺は怒って現場主任の若造の元へ抗議に行ったが、若造は俺を軽くあしらうだけだった。
 俺は頭に血が上って沸騰しそうになったが、どうすることもできなかった。俺たちは工務店に仕事をもらっている立場だ。あまり強く言って仕事を回してもらえなくなったら大事だ。結局俺たちは黙って帰るしかなかった。
 俺は会社へ状況を電話報告し、この後の指示を仰いだ。すると、俺たちは午後から休みだと言い渡されたのだ。
 それを聞いた途端、さっきまで怒っていた後輩たちの目が色めき立った。当然だ。こいつらはこの後デートがあるから、1分でも早く家に帰りたいのだろう。
 会社に帰り道具の片づけを終えると、後輩たちは俺の前では怒った顔をしながら、スキップを踏んで退社していった。
 俺も溜息をつきながら帰ろうとしたのだが、後輩たちの話のせいで朝からムラムラしてしょうがない。
 ふと俺は良いことを思いつき、スマホを取り出した。実は最近、かなりいい大人のお店を見つけたのだ。

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