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みお奥様ストーリー⑧

 みおさんの膝が笑っている。
「んぅう……っ!」
 びくびく、と体を震わせる彼女は、軽く絶頂したのかもしれない。
 私はとびっこのスイッチを切り、彼女の肩を抱えるようにして横断歩道を渡り切った。
 信号が変わり、私たちを見ていたドライバーたちがあっという間にいなくなる。
 妙にこっちを振り返ろうとしていたのは、見間違いではないだろう。
 横断歩道を渡り切ったところで、私は暫く立ち止まり、みおさんが回復するのを待った。
 小刻みに肩を震わせていたみおさんが、少し呼吸を荒くしながら、私をじっとりとした目で見る。
「……こんなところで、恥ずかしかった、です」
「すみません。……でも、ドキドキしたでしょう?」
 そう問いかけると、みおさんは赤く染まった頬を手で抑え――こくりと頷く。
「……早く、行きましょ?」
 みおさんはそう言って私を促す。
 もう我慢できない、と行動で示していた。

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