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映画「A GHOST STORY」観ました

良い映画を観ました。
「A GHOST STORY」

幽霊の視点から観た前衛的な映画で、
ホラーではなく、シーツを被った幽霊(演劇的表現)が、
永久の時の移り変わりの中に孤独に残され、
それをただ眺めるだけの会話なども無い作品。

まず、背景で流れる弦音楽がすごい好みでした。
宗教音楽を聴いて、哲学を考える様な作品
だと思ってもいいかもしれません。

会話が無い分、音楽は重要な要素になっているので、
ぜひイヤホンで聴いて欲しい所。

メッセージとしては、非常に哲学的、
それも宗教的な要素のもので、
故に苦手な人、全く理解できない人もいるのでしょう
(そういうレビューも多々あった)。

「仏教的な無常を表現しているのでは?」
というレビューも多く、
確かに日本の古典の「青頭巾」の様な雰囲気を
持っている作品だなと思いました。

「江月照松風吹 永夜清宵何所為
(澄んだ月は清流に映り、松の間に吹く風は爽やかである。
この永い夜、清らかな光景は、何の為にあるのか?)」

という無常世界を説いたのあれです
(その問いの答えは[何の意味もない])。
「青頭巾」は日本の古典ですが、
今の宗教観の足りない
盛り上がり重視の日本映画界が映像化しても
大失敗すると思うので(笑)
「A GHOST STORY」は、純粋にその高尚な哲学世界を
映像にする偉業を叶えてくれた作品だと思います。

クラシック鑑賞、宗教作品、哲学作品が好きな方にお薦めです。

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