言わないほうがいい転職理由のキーワード
ペルソナ代表の佐野です。
転職活動においては、必ずと言っていいほど聞かれる転職理由。
当社も必ず、自社採用の面接では転職の動機をお伺いしています。
また複数の転職歴があれば、すべて聞くようにしています。
会話の中ででてくるキーワードで、この方は採用するのは難しいなというだけではなく、転職を一度思いとどまった方がいいなと思う方がいます。
それは、
「次の環境で成長したい」
「尊敬できる人の下で働きたい」
「刺激がほしい」
「キャリアアップをしたい」
といった類の言葉です。
共通するのは、成長も刺激も、キャリアアップもあくまで手段であり、目的ではないということです。
当社の面接で実際にお会いした方
先日、とある転職エージェントで若くして活躍され、表彰も数多く受けており、部下数十名のマネジメントを経験された方がいました。
自分はプレイヤー向きかもと途中で考え、そのまま当時の職場で適切なジョブチェンジをしてもよかったのですが、転職という形で別のエージェントに移られた方でした。
結果は、1年たたずとして転職活動を再開。
転職理由は上記の内容でした。
私はこのような言葉を面接官として受けるだけではなく、生業が転職活動の支援でもあるので、通常の企業以上に、”転職の動機”に触れる機会が多いです。
あくなき追求思考や成長志向であればまだいいのですが、どちらかというと、自分探しのような、いまの環境があわないから消去法で転職を繰り返す人がほとんどです。
残念ながら、そのような動機ではその肝心な成長の先の目的が考えられておらず、志望理由としても不十分で、転職活動に苦労されています。
やりたいこともよりも、やりたくないから転職をする
面接官の多くが聞きたいのは、応募した会社で自分のどの経験を活かして、活躍したいのか、つまり本人がやりたいことを聞きたいのです。
ですが、転職の理由を聞かれると、やりたいことよりも、やりたくないことを優先して、転職を繰り返されている方がいます。
転職ができてたとしても、本人のやりたい軸がはっきりとしていないため、一定の時間が経過すると、その環境が自分にとって、よかったのか・わるかったのか、といった振り返りができません。
当然、本人も自信がなくなっていくだけではなく、社歴が多い場合、日本は転職歴が少ない方を重宝する傾向にあるため、せっかく経験がマッチしているのに、ご紹介できる企業の幅が狭まってしまうということがよくあります。
成長の先に、自分の何を評価されにいくのか
そもそもまず考えて欲しいのは、企業も雇用する以上は、成長の先に成果としての期待があり、その成果に対して投資、つまり給与といった待遇を用意します。
一方、上記のような転職のキーワードがでてくる際は、企業が期待する成果と、本人が希望する成長の先の結果がリンクしていないケースがほとんどです。
言い換えると、そこまでを想像していないということであり、本人の動機が主観的であるということです。
もとをたどれば、日本の場合、自分のキャリアや仕事の経験が10年、20年、あるいは30年先で、どのような形で変遷をたどるのかを学ぶ機会がまったくといっていいほどありません。
はじめて就職する場合、過去学んだことは理系卒や専門学校を除いては、
学んだ学問と相関性がないところに就職をするケースが多いです。
そして、転職を前提に就職する人はそう多くはないでしょう。
だから、自分自身の経験がどのように評価されるのか、されていくのが、
見えないのはいたしかたがないことなのです。
先日当社の面接でお会いした方は、人のキャリアを支援するプロでありながら、自身のキャリアに悩まれていました。
たとえプロであっても、主体的に情報をとり、第三者からレビューをうけない限りは、いわゆる自分の市場価値というものはわからないものです。
だからこそ、市場価値、言い換えれば、つちかってきた経験の査定を定期的に行う必要があると思います。
企業が人を雇用するというのは、想定する以上に大変なことです。
私も経営をしてみて実感をしたことですが、人を雇い入れるには、原則は売上ではなく、利益からまかなわなければいけません。
福利厚生や退職金なども、すべて企業の利益からです。
なので、人を採用するには相当シビアな目で見ています。
ですので、これまでの経験をどのように成果で残せるか?ということを起点に話せる人と、成長や刺激が欲しいといった転職理由で話す人では、どちらを重宝するか、聞くまでもないと思います。
成長の先を見つめる
では、どのように自分の市場価値を調べるか?については、やはり転職エージェントを使うのがいいと思います。
転職エージェントというのは、自分と近しいキャリアの人に対して、あらゆる案件を紹介し、選考後は企業からの評価をもらう立場です。
常にリアルタイムで、相対評価ができる立場であるため、客観的な情報を伝えることが可能です。
ただし業者の選定は大事で、選考をうけることをごり押しをするところもあると聞きますので、くれぐれもまずは情報収集として、考えが固まるまでは十分に時間をかけていいと思います。
いま退職代行のサービスなども台頭し、転職がよりしやすくなった時代に入ってきています。
ただ、退職や転職もやはり手段。
大事なのは、その先の目的で、自分がどのような人生を送りたいのか。
そのためにどんな経験を積む必要があるのか。
他人や環境にモチベーションを左右されない、夢中になれそうな環境はどこにあるのか。
そういったことを考えるには、しっかりと自分とメモに向き合い、結論がでるまでには数か月はかかると思います。
焦ることに、いいことはありません。
日ごろの当社の面接ではそういったスタンスで臨んでおりますので、転職理由をしっかりと伺っていきます。
当社を受けてくださる際、あるいは他の会社で転職を考える際にも、一度、冷静に立ち止まって考えてみてほしいなと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ペルソナ株式会社 佐野
▼佐野が書きました
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ペルソナの社長が在宅勤務で経営をしながら、人材紹介業で叶えたいこと
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#5【中編】ペルソナのカルチャーと人
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