転職エージェントに相談してみたけど
ペルソナの佐野でございます。
転職を希望されている方で、毎月新規で100名程のお客様とお会いしています。
すでに何社かのエージェントとの話を済んだ方々が多いはずなのですが、言い換えれば多くの案件の提案をうけているはずなのですが、それでも尚、われわれのようなエージェントに時間をさいてくれるのです。
そこで”んっ”ひっかることがあったので、筆をとってみました。
10年程度、人材業に従事した後、最近独立した私が思うことは、
人材業界の慣習はほとんどかわっていないなと思うのです。
多くの声としては、
「求人概要を詳しく聞きたいのに、エージェントからはとにかく経歴書を出してくれ」
と言われるだけ、とのことでした。
これはさすがに極端な表現をされたかたの意見ですが、一方であながちまちがってもないなとも思うのです。
なぜそのようなギャップがうまれるのか?
その答えは、
人材紹介業で労働集約がゆえのKPI文化が根づいているから
だと思っています。
そして、人材紹介業従事者も、みな営業です。
組織的に労働集約で事業を営み、営業活動をし、キャッシュをうむということは、数を増やし、率(生産性)を上げて、単価をあげていくことが大原則です。
ですが、率(生産性)や単価というものは限界があり、どうしても数の勝負になってくるのです。
人材業界でみなさんが知られている企業の多くは上場をしており、株主からはより一層の利益をもとめられます。
そうなるといかに数を効率よくまわすか、という力学が働き、経歴書の回収と推薦(企業に転職希望者を提案)がKPIに組み込まれていくことになります。
ここが数の勝負となるところです。
また人材会社自体が社員を大量に採用し、育成がおいつかないまま、現場に放り出されることになります。
そうなると、より一層KPIで管理する力学さらに加速していく、そんな構造かなと思っています。
わたしも新卒で入社したのは大手で上場していた人材会社なのでよくわかりますが、「つべこべ考えるより、行動がすべて」と教え込まれるので、きちんとしたノウハウや転職希望者のキャリアやそれに対する需要となる案件がどんなものがあるかをきちんと把握せずに、盲目的に応対していくこととなります。
そしてこれも残念なことですが、企業側の人事からは、
「◯◯や◯◯エージェントは本当に経歴書をみて推薦をしてきているのか?」
という意見が多いことも事実です。
こうした実態が、現場にはあります。
大袈裟ではなく、ありがたいことに当社は転職を希望する方にも、企業側の人事にもどちらの意見もいただくことはありません。
なぜか。
そのひとつは、「ご自身が明確に受かるイメージがある案件だけをピンポイントでご紹介している」からかなと思っています。
結局のところ、大前提、中途で転職をするということは、新卒の時と比べて情報格差がある状態で合否を判定される、といった極めて不利な状況で選考を受けていかなければいけないものです。
選考の前に丁寧な会社説明会があるのは新卒の時だけで、中途の場合は、経歴書・履歴書で情報が薄い中で、選考にかけられてしまうということは、選考を受ける側としては、受かるかどうかもわからないまま、霧の中を歩くような精神的なタフさが求められます。
特に転職を初めてする方や、慣れていない方からすると、自分の市場価値がどのくらいあるのか、どういった企業からどのくらいの水準を求められることとなるのか、についてはまったくわからないものです。
ですが、企業の実態も知らずに自分自身の個人情報をわたし、明確な理由が添えられず、見送りの連絡がくるということは多々あることで、それだけで、気が滅入ってしまいます。
こうした構造が、冒頭のように多くの疑義を抱かせてしまっている原因かなと思います。
当社はバリューのひとつである「精度と鮮度の高い情報を流動させる」にこだわっています。
もちろん企業の求人票から分かる情報もあるのですが、結局のところ、何を重視しているのは、求人票に書いていないことも事実です。
また面接でも何を聞き、何を答えればイメージに合っているかまでを把握していきます。
ですので、求人のヒアリングに多くの時間をさく分、限りなくミスマッチがないようにしております。
(クライアントの皆様、いつもお付き合いいただき、ありがとうございます)
よって、精度の高い情報を鮮度がある状態で、極めて受かりそうな方にだけ声をかけているというのが、当社のスタンスです。
人材業の従事者でない限り、ブラックボックスの世界ではあるかもしれませんが、そういう構造だということも、ネット社会である現代はいずれ明るみになるかなとも思っています。
当社は末上場であり、紹介業は基幹事業ではあるものの、この事業で規模をおうことはしません。
また今のことろ、出資もうけていないので、ある意味マイペースにできますが、それでもリソースが限られているので、多くの方々にお会いできるわけではありません。
だからこそ、丁寧にメリットのある案件だけを扱い、お話をさせていただいております。
ご覧いただいているみなさまにも、転職エージェントの一社として携わることがあるかもしれませんが、その際はきっと有意義な時間にできるかと思います。
なんだか表明的なまとまりになってしまいましたが、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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