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拾ったのは吸血鬼でした
薄青い蛍光灯の下で拾ったのはひとりの吸血鬼だった。
その日はバイトの早番で。
大好きなゲームの新作が配信されたばかりで早くプレイしたくてうずうずしていた。
18時に上がったら食料を調達して駅からは徒歩じゃなくバスで帰って…なんて妄想ウキウキアフターファイブは午後にヂリヂリ鳴った電話で粉々に砕けた。
午後番シフトの主婦さんが子供の体調不良で来れなくなり、しかし代打が見つからないというのだ。
「…
窓にあたる雨はしだいに
ぬるくやわらかい泥の中から頭をもたげるように、ジョンウンは甘く怠惰な眠りからゆっくりと体を起こした。
外からの光で淡く色づくカーテン。
朝が来ているようだ。
薄暗い部屋のそこかしこにたっぷりと満ちる雨の気配。
起こさないようにそっと布団から抜け出し、カーテンを薄く引き窓を小さく開けた。
窓の外にはやはり、音もなく細かな雨がたっぷりと降っており世界をやわらかく濡らしている。
ジョンウンはすぅっと息を
よっぱらい(書き途中)
『ドンへぇ〜……開けてぇ〜………』
鳴り響くチャイムの音に玄関を開けると、そこにはヒョクチェがいた。
「わっ、どしたの?」
開けた瞬間にドンヘにぎゅうっと抱きつくヒョクチェ。
『ドンヘぇ〜』
酒くさい息を吐きながらドンヘに抱きついたまま離れないヒョクチェ。
随分酔ってるな。
こんなに酔った姿久しぶりに目にする。
「ほら靴脱いで、おいで」
肩を貸したまま靴を脱がせ、フラフラ歩くヒョクチ
ちゃら大学生とサラリーマン
(あーもーお金無いよどうしよ〜!!)
がしがしと頭をかきむしるヒョクチェ。
なけなしの金をつぎ込んだ馬券があっけなく外れ、今月の奨学金をまるっと飛ばしてしまった。
(間違いないって言ったくせに〜も〜!!!)
枕をボスボス叩くも出るのはホコリばかり。
(…家賃も…光熱費も…どうしよ……)
リョウクに電話したら着信拒否されていた。
キュヒョンに電話したら散々あざ笑われたあげくに電話を切られた