窓にあたる雨はしだいに
ぬるくやわらかい泥の中から頭をもたげるように、ジョンウンは甘く怠惰な眠りからゆっくりと体を起こした。
外からの光で淡く色づくカーテン。
朝が来ているようだ。
薄暗い部屋のそこかしこにたっぷりと満ちる雨の気配。
起こさないようにそっと布団から抜け出し、カーテンを薄く引き窓を小さく開けた。
窓の外にはやはり、音もなく細かな雨がたっぷりと降っており世界をやわらかく濡らしている。
ジョンウンはすぅっと息を吸い、雨の匂いを味わった。
(こぬか雨)
昔、祖母が教えてくれた。
音もしな