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絶対に失敗しないプレゼント選びマニュアル考えてみた (第2回/全9回)

プレゼント成功のためのステップ1
~“要件定義”をする~


親しい人の、何かしらの行事や節目を迎えてプレゼントを選ばなければならなくなったときに、最初に何を考えますか?

「せっかくだからサプライズプレゼントで驚かそう! 」
「いや、相手の欲しい物を聞いて、そのリクエストに基づいて渡そう! 」

こんなことをまず考えていませんか?
いずれにせよ、相手を喜ばせるためにこうした渡し方から考えがちだと思うのですが、サプライズにしろ、リクエストにしろ、その渡し方を選ぶよりも前にすべきことがあります。

それは、プレゼントの「要件定義」です。
「要件定義」という言葉を初めて聞く方もいると思うので、まずその説明からします。

「要件定義」というのは、主にビジネスで使用されることの多い言葉です。相手となる顧客の要望や希望を聞き、それを踏まえて自分たちでどんなサービスが最適なのか考えて、提供するサービスの計画を立てることです。

「そんな面倒くさそうなことしなきゃいけないの? 」

確かに「要件定義」という言葉だけ聞くと随分おカタい印象ですが、もちろんそこまで根を詰めてやる必要はありません。
ただ、このプレゼントが「どうあるべきか」を考える時間を5分くらい作るだけで、失敗する確率はグッと低くなります。

プレゼントには必ず「テーマ」があります。
例えば、一言に「誕生日プレゼント」と言っても、それが同い年の友人に渡すモノと、付き合って1年目の恋人に渡すモノと、自分の親に渡すモノ、お世話になっている上司に渡すモノでは”違う”というのは分かりますね?
今、私が上げた例でいくとこんなことが考えられると思います。

『同い年の友人への誕生日プレゼント』
・気心が知れているから、改まったものじゃなくていいな
・いつもとは違う、変わったものがいいかも
・ちょっとふざけたモノをあげても盛り上がるかな

『付き合って1年目の恋人への誕生日プレゼント』
・相手のことをもっと知りたいから、そのきっかけになれたらいいな
・お互いの距離がもっと近づくような、ロマンチックなものもいいかも
・自分のことをもっと知ってもらって、もっと好きになってほしい

『自分の親への誕生日プレゼント』
・形に残るものでもいいけど、たまにしか買えない好物でもいいな
・節目の年齢だから(還暦、古希、喜寿など)質の良いものがいいかな
・ある程度気心は知れているけど、日頃の感謝はちゃんと伝えたいな

『お世話になっている上司への誕生日プレゼント』
・今後のことを考えると、印象に残るものにしたいな
・収入は自分より上だけど、高級志向でチャレンジすべきかな?
・とはいえ、あまり露骨なモノだとかえってイヤがられないかな

もちろん、ご自身の実情に合わせて色々と変わってくるとは思いますが、ザックリとこんなことを考えるのではないでしょうか?
今、ここで上げたことが「要件定義」の第一歩です。
相手の立場やシチュエーションを考え、どんなものをどんな渡し方で渡すのが良いか、相手の気持ちやその場をどんな雰囲気にしたいのかと考えることが「プレゼントの要件定義」です。

でも、なかなかイメージが沸かない場合もありますよね。
「要件定義」をさらにレベルアップさせて、もっとプレゼントの具体的なイメージを膨らませられる“要件定義シート”を使ってみましょう。

要件定義シートを使ってみよう!

ここに、オリジナルの「要件定義シート」を用意してみました。「要件定義シート」には、6つの項目があり、シンプルに「5W1H」で構成されています。それぞれの項目の役割は次のとおりです。

◆Who…誰に渡すプレゼントか?
友人?恋人?家族?仕事仲間?あなたとその人の関係値はどれくらい?

◆When…いつ渡すプレゼントか?
プレゼントを用意するまでの時間はどれくらい余裕がある?お店に行って選ぶ時間があるのか、無ければオンラインショッピングの利用も視野に入れる必要がある。

◆What…何のプレゼントか?
誕生日?歓送迎会?結婚・出産祝い?引っ越し祝い?…etc

◆Where…どこで渡すプレゼントか?
高級レストラン?気楽なカフェ?職場?相手の家?…etc
渡すシチュエーションに応じて、相応しいモノも限られてくる。

◆Which…どちらの雰囲気か?
失敗できない真剣なプレゼントor気心の知れた気軽なプレゼント

◆How…どんな雰囲気や気分になって欲しいか?
その場を盛り上げたい?驚かせたい?喜んでもらえればなんでもいい?
あなたはそのプレゼントにどんな思いをこめますか?


では、あなたが直近でプレゼントを渡したい相手のことを思い浮かべながら、このシートをぜひ書いてみてください。
丁寧で具体的であることに越したことはありませんが、そこまでみっちりと根詰めてやる必要はありません。5分くらいで書ければOK
これが書き終われば、どんなプレゼントがいいか明確に見えてきますよ。

要件定義シート

「うーん、でもやっぱり難しいかも……」

そう思った方に見せたいものがあります。
次に上げるのは、先程例に出した『付き合って1年目の恋人に渡す誕生日プレゼント』をテーマに、この要件定義シートを作った場合の一例です。

要件定義シート・記入例

思っていたよりもかなりシンプルだと思いませんか?
プレゼント選びに慣れると、この要件定義を頭の中でササッっとできるようになるので、あくまでも悩んだときのヒントとして活用してみてください。

要件定義シートを基にイメージを膨らまそう!

さて、この要件定義をすると、より具体的なイメージや注意点などが見えてきます。先ほどの例からどうなるか考えてみましょう。

★渡す相手は付き合って1年目の恋人である
⇒相手のことはある程度は知れたが、まだまだ知らない面もある。

★プレゼントを渡すのは2週間後だ
⇒店に行って選ぶ時間的余裕はまぁまぁある。

★用意するのは誕生日プレゼントだ
⇒記念になるようなものがいいかも知れない

★渡すのは表参道のフレンチレストランだ
⇒大きすぎるものや、大きな音の出るもの、ジョークグッズは相応しくない

★真剣なプレゼントだ
⇒予算は少し高めに設定してもいいかもしれない。

★ロマンチックな雰囲気にしたい、距離を近づけたい。
⇒アクセサリーや服飾品などを、サプライズで渡してもいいかも。

プレゼントのイメージがかなり具体的になりましたね。
この例の場合はサプライズプレゼントが想定されていますが、そうではないリクエスト・おねだりの場合でも、例えばこんな失敗を防げます。

――Aさんは奥さんの誕生日に何がいいか聞いたところ、
「新しいカバンがいい」とリクエストされました。Aさんはそれだけを聞くとすぐショッピングモールに買いに行きます。

その後、Aさんは奥さんの仕事に使えそうな、大きくて機能的なトートバックを買いました。
ところがいざ渡してみると奥さんは浮かない表情……理由を聞くと

「同窓会などのパーティーに使えるような、小さなバッグが良かった」
と言うのです。


もし、最初にAさんがリクエストを聞いたときに、この「要件定義シート」に基づいて質問していたらどうなっていたでしょう?

そのカバンはどこで使うものなのか?
どんな目的で使うものなのか?
それを持ってどんな気分になりたいのか……

要件定義シートはこんな形でも応用もできます。
この使い方をしていればきっと、Aさんは仕事用のトートバックではなく、小さなパーティーバッグを選んでいたかもしれませんね。

メモ


さて、次回はそんな失敗を防ぐ、もう一つのお役立ちシートをご紹介!
相手の好みを把握して、絶対に失敗しないチョイスへと導く第2のシートで、もっと相手に喜んでもらえるプレゼント選びのコツがつかめるはず!

それでは次回もお楽しみに~

※毎週火曜日更新です。

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