Perfect Disco

毎週水曜 21:00更新(目標) People In The Box 全曲感想 Ra…

Perfect Disco

毎週水曜 21:00更新(目標) People In The Box 全曲感想 Rabit Hall~Ghost Apple はこちら https://tbk-pd.hatenablog.com/

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天国のアクシデント

他2曲に比べると、カロリー低め(?)な印象。 あの、黒い害虫、の歌なんて考察をよく見るがそれはそれで納得。 差し置いてたまらんポイントもあるので、以下記述。 半音下がったメロディが、良からぬ事が起きていると想起させる。 スローテンポで進むのは面白いが、その分じっとりと"良からぬ事"と向き合わせられる。 <黒く深く速いそいつは ぶっ飛ばすのさ天国のアクシデント> うーん、やっぱり例の黒い害虫についてだろうか。 幸い人生で2度しか遭遇した事が無いので、一般的な嫌悪感

    • あなたのなかの忘れた海

      この電車を降りないで、終点の海まで行ってみちゃおうか。 通勤や通学のため電車に乗る人なら、誰でも思った事があるのではないだろうか。 <海へいこうよ>と誘われる。 「簡単に言うなよ、」って不貞腐れる。 けど「いつかね。」と、不透明な約束を心に取り付けて、それに縋って1日を乗り切るにも役立つ。 <海へいこうよ って毎日同じことを> <唱えていつかは> <そこで悪夢は終わるよ> 毎日同じことを、唱えて唱えて。 "ロックとは、誰もいない場所に1人で立っている時に、風

      • 聖者たち

        最初にして唯一のタイアップ曲『聖者たち』。 漫画は好きだけどアニメは合わなくて見られなかった。 (花江夏樹の演技が凄すぎて、拷問シーンが辛くてギブアップした・・・) それでも原作者・石田スイ先生がOPとEDアーティストを選び、"ぼくがかんがえたさいきょうのタイアップ"をしたのでコンピレーションアルバムは持ってます。 ぼくがかんがえたさいきょうのタイアップさぁ・・・創作者の""夢""ですよねぇ・・・。 ライブでも登場頻度は高め。 タイアップとはいえ、東京喰種っぽさが

        • 風が吹いたら

          長いようで、振り返れば短かった『Wall,Window』の旅も終わる。 窓を開けて壁の外へ歩き出した者を見送るように、軽快なドラムとハンズクラップで幕を明ける『風が吹いたら』。 クラップにカントリー調のギターが乗れば、広い草原に楽器を持ち寄って演奏する姿が思い浮かぶ。 <にぎやかな通りでも 人影はないさ 隠れた人々> 明るい曲調に不穏さも見え隠れするが、<合図ひとつで 溢れる顔 迎える声>と、路地から人々がわっと顔を出したようだ。 People In The Box

        天国のアクシデント

          下北SHELTER(裏)発見

          2024.06.05 People In The Box 春の航海(裏)ファイナル 下北沢SHELTER 地下へ続く階段を、「SHELTER」のネオンが照らしている。 秘密基地のようなライブハウスは思ったより小さくて、まさに「箱」へ入っていくようだった。 [セットリスト] 1.アメリカ 2.無限会社 3.数秒前の果物 4.月曜日/無菌室 5.さまよう 6.水晶体に漂う世界 7.泥の中の生活 8.海抜0m 9.報いの一日 10.潜水 11.木漏れ

          下北SHELTER(裏)発見

          『Wall,Window』で一番好きな曲。 それに、一番優しい曲だと思う。 静謐なピアノの音は、真夜中に差し込む月の光みたいだ。 前半はピアノと歌声だけで進行する。 こういうのは、バラードと言っていいんだっけ? <今日も誰かを蝕む悲しみを ひとは食べておとなになる> ふさわしい言葉が見つからないのが悔しいが、この歌詞がとても優しく感じる。 忘れられなかった、癒せなかった、眠りも妨げる"悲しみ"を、忘れさす訳でもなく、癒すわけでもなく、眠りを助長するでもなく、ただ

          あの頃

          日々が消えるのは怖いから。 マーチのように爽やかなサウンドで幕を明ける9曲目。 <誰もがまともなふりをしている> <誰もがくるったふりをしている> それでも世を見つめる目はぶれない。濁らない。 多少の冷淡さを以て達観している。とも言えるが、何の事はない通常運転。 むしろ、People In The Boxらしさを14字にまとめて、まさに"自然体"。 くどくどと御託を並べた所で、結局言いたいのは「この歌詞が好き!」ってコト。 正常と狂気の間を行ったり来たり。

          もう大丈夫

          リリース時、「絶対大丈夫じゃない」と思ったのを覚えている。 実際に聴いて、「あーやっぱり大丈夫じゃなかった」と思ったのも覚えている。 2014年8月6日リリース。 10年経って今はどうか。 ワン・テンポ遅れるピアノのリズムが、不安定感を描く。 <知っているよ 知っているよ> <きみはいま大丈夫じゃない> <笑顔でいるから> <なおさら なおさら> そう大丈夫じゃなかった。 本当は"大丈夫じゃない"のに、取り繕う"不自然"さを見透かしている。 当時は自分も

          もう大丈夫

          『Wall,Window』トリッキー枠、『馬』。 [トリッキー] tricky―巧妙であるさまや奇をてらったさまを意味する表現。 対義語は「シンプル」だそう。 「People In The Boxの曲はシンプルだ」と言う人がいたら全く同意できない(そのような音楽猛者がいたら申し訳ない)が、「全てトリッキーだ」という意見にも100%同意はできない。 結局は基準をどこに置いているか、だと思う。 さて『Wall,Window』の基準――つまりアルバムの雰囲気とか、曲の感

          おいでよ

          穏やかなギターの音色が染み入る。 <重い荷物かかえて帰る> それは日常の一コマでもあるし、もしかしたら精神的な比喩表現かもしれない。 自分は疲れて帰る日に、そっと再生してささやかに自分を労う。 そう、我々は重い荷物を抱えている。みんなだいたい。 ドラムがスピード感を与えるが、メインフレーズはリフレインで貫かれる。 <ぼくはゆうれい そばにいたいよ> 大人になったらわかる、大事な事は何度も何度も言うもんだって。 「そばにいたいよ」と呟く聴者。 「そばにおいでよ

          <未来を失う未来も 来ることを忘れないでね> 大好きな歌詞だ。 人によっては「暗い」と言うだろう。 でも、上っ面だけでポジティブなメッセージを押し付けられるよりよっぽど信頼できる。安心できる。 温かみのあるピアノのフレーズではじまる。 じぃん、ともびぃん、ともつかない打鍵音が心地よい。 前奏の終わりに鳴らされるシンバルによって、スパイスのようにピリッとしたアクセントが加わる。 全体的に音が高めというか、『花』というタイトルに相応しく、可愛い感じ。 ピアノが率い

          さまよう

          らん、ら、らん、ら、らら・・・とハミングで始まる一曲。 実際には「ふらっ、ふらっ、ふらっ、ふら・・・」と彷徨う擬音であった事を知ったのは、ライブで初めて聴いてから。 気づいた時に、(おしゃれだな~~~~)と嬉しくなったのを覚えている。 少年と少女が街を『さまよう』ストーリーだと、普段に比べてとても分かりやすい世界観。 ただし、"どこ"も"なぜ"も説明は無い。 聴者の想像に委ねられるから、そういうのが苦手な人にはとっつきにくいかもしれない。 ぼかされた風景は多くの人

          手紙

          カントリーダンスのように跳ねる音。 ギター?のキュッキュッって音がなんだか心地よいです。 『Wall,Window』は自然の描写が多くて好きだ。 <葉っぱが光をつらぬくよ> <地中深く伸びる根の音> もちろんこれはどの季節でも起こりうる事だが、音の瑞々しさが初夏を連想させる。 出された手紙の書き出しは<聴こえるかい?>という問いかけ。 瑞々しく動き出した植物たちを語るための、『手紙』なのだろうか。 しかし<虫の背中焦がす陽の音>という表現、あまりに目線が良すぎ

          <ピエロが千人 七色 とび散る 影> 『Wall,window』のリリース直後、通しで聴いて一番「歌詞ヤベェな」と思った。 リズムよく、しかし不穏さもあるベースが印象的。 歌詞も音も(悪い意味では無いのだが)"得体の知れない曲"というイメージがあった。 改めて聴くと、昔とだいぶ印象が変わっていた。 サビの疾走感とメロディの爽やかさの方が印象に残り、純粋に「良い曲だな」と思った。 昔と印象が変わっている事が面白かった。 <爛々 爛々 光る頭のなか> <映画みたい

          翻訳機

          『Wall,Window』2014年発売の12枚目の音源作品。 ・・・2014年!? 時代に流されない彼らの音楽だからこそ、10年経っても文章が書けるのだと思います。 『Wether Report』から11ヶ月経っちゃったけど、全曲感想をやり遂げたい気持ちは途切れていません。 低空飛行だけど飛ぶ事はやめずに、これからも海抜0mぐらいをふらふらと飛んでゆきます。 ひとまずは一時浮上。 音楽を燃料に、11週ぐらいは高く飛べそう。 ------------------

          初めてamazarashiのライブに行った

          にわかの覚え書きです。 永遠市はまだ買えてません。 それがあってはこの先、きっと仕事が手につかなくなる そう判断し、とりあえずライブ行きたくてチケット取りました。 『七号線ロストボーイズ』がブッ刺さったのでとにかくライブに行きたかった。 セトリネタバレ含みます。(順序は不正確。思い出した順。) でも『永遠市』の曲はほぼ分からないので分かるやつだけ書きました。 ご注意を! 【2023.12.12追記】 12.11 国際フォーラムも勢いで行ったので本文追記しまし

          初めてamazarashiのライブに行った