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さまよう

らん、ら、らん、ら、らら・・・とハミングで始まる一曲。

実際には「ふらっ、ふらっ、ふらっ、ふら・・・」と彷徨う擬音であった事を知ったのは、ライブで初めて聴いてから。

気づいた時に、(おしゃれだな~~~~)と嬉しくなったのを覚えている。


少年と少女が街を『さまよう』ストーリーだと、普段に比べてとても分かりやすい世界観。

ただし、"どこ"も"なぜ"も説明は無い。

聴者の想像に委ねられるから、そういうのが苦手な人にはとっつきにくいかもしれない。

ぼかされた風景は多くの人に伝わりにくいというデメリットがあるが、普遍的で長く聴き続けられるというメリットもある。と、自分は思う。

(多くの人に伝えるには、ハッキリとしたメッセージ――時には、大多数を肯定しそれ以外を否定するという排他的なやり方――が有効だ。だけど、People In The Boxを好きな人は、そのやり方に当てはまらないだろう?)


音の構成も分かりやすい方ではないだろうか。

Aメロ、Bメロ、サビ としっかりJ-POP。

(サビが4つ打ちか確かめるためにCut Fiveを見直したのですが、謎の打楽器とガーガーチキンで全く参考に出来ませんでした。いらない情報が多すぎて笑った。)

<きみは暗闇のなかにいて そろそろ目がなれてきたころさ>

暗闇から抜け出す事を歌う曲が多いが、暗闇と共存する歌詞にするのが、彼ら(波多野氏)らしい。

自分は、こういったメッセージの方が信じられる。


<外れない仮面を素顔というなら>

<コンクリートの雨粒の模様は 深夜の句読点>

ここら辺も詩的で素敵。

何食ったらこんな良い表現生み出せるんだろう。うどん?


<きみにわからないはずはない 利用された誰かの孤独を>

People In The Boxの中でも上位に好きな歌詞のひとつ。

風景がぼかされているが故に普遍的と冒頭で記したのは、この歌詞を味わう為のものでもある。

"利用された誰かの孤独"というのもあいまいで、どのように利用されたのかが聴者の想像に委ねられてしまう。

だから自分は、その"誰か"を少女と見立てた。

人に裏切られて街をさまよう少女の孤独を、"わからないはずがない"少年が追いかける。

・・・これは分かりやすくて、素敵なストーリーじゃないかな。

(タイミングの悪い事に2週間ほど前から闇金ウシジマくんを読み始めたので、"利用された誰かの孤独"というワードは必要以上に重く感じるようになってしまった。たぶんそこまで重くはない。・・・楽園くん・・・)

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Cut Fveの謎の打楽器、調べた所「ジャンベ」という物でした。

自分の知っているこういう形状の打楽器はコンガとボンゴしか無かったので、ちゃんと調べました。

コンガ→下のほうくにゃってなってるから違う→ボンゴ→「ぼんご おにぎり」が先に検索ヒットする。そっちじゃない。→画像検索→コンガは全長が短いので違う→「ボンゴ みたいな 楽器」で調べる→「ジャンベ」というやつが下のほうくにゃってなってて合ってそう→それでも確かなソースが欲しいので「ジャンベ People In The Box」で調べる→合ってた

余談ですが、劇場辺と銘打ってるからか、メンバーが白シャツでフォーマルチックだったんですな。

・・・その格好でガーガーチキン鳴らすのはギャップがありすぎる。

が、そのシュールさがPeople In The Boxの良さだと思う。

つまり何が言いたいかって、そのライブ見たかった!!!

パリッとした白シャツでDPPLGNGRとか水晶体とか演られたら超カッコよくない?

お待ちしております。