翻訳機
『Wall,Window』2014年発売の12枚目の音源作品。
・・・2014年!?
時代に流されない彼らの音楽だからこそ、10年経っても文章が書けるのだと思います。
『Wether Report』から11ヶ月経っちゃったけど、全曲感想をやり遂げたい気持ちは途切れていません。
低空飛行だけど飛ぶ事はやめずに、これからも海抜0mぐらいをふらふらと飛んでゆきます。
ひとまずは一時浮上。
音楽を燃料に、11週ぐらいは高く飛べそう。
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ライブでよくやる曲、という印象。
一時期、毎回ライブで演奏されるので「弾きやすいのかな」と勘ぐっていた。
(実際の所は分かりませんが・・・)
お得意(?)の、曲展開が変わってゆくタイプの曲ではなく、最初から最後まで爽やかで優しい音に一瞬、「違うアーティスト聴いてたかな?」と錯覚する。
だけども歌詞は、People(波多野氏)の世界観の総括というか、根底に流れているものが他曲に比べてストレートに表れていると思う。
<悲しみには終わりが無いね>
<終わりが無いのは悲しいからね>
<悲しいね ときどき 楽しいね>
人生の大半は悲しいことで出来ているが、ときどき楽しいことに出会うよ。
"達観"という言葉をよく知らない頃、この考えは自分に合っていた。
ネガティブ思考はクセみたいなもんで止められない。
後ろ歩きで前に進んだって良いと気づかせてくれた曲や言葉は沢山あるけれど、その中のかけがえのない一つだ。
たびたび、ふっと湧き上がるようにこの歌詞を思い出すから。
きっと『翻訳機』は、自分の根幹に近い所に置かれた曲なのだろう。
前述の通り、終始穏やかで(他の曲を知っていると)ベースとドラムが控え目に聴こえる。
その分、歌声がよく聴こえる。
全曲そういうわけではないが、『Wall,Window』の傾向というか、「今回はこういうアルバムですよー」という挨拶には申し分ない曲だと思う。
<きみはどこへ行ったの 言葉だけ残して>
<きみはどこへ行ったの 風だけおこして>
<あのひとごみのなかから きみはうまれた街を失う>
<歌を誰が歌うのさ>
<あのひとごみのなかから きみのうまれた街を繋ぐ>
<歌を僕が歌うのさ>
ていうか歌詞いいな。(今更?)
失うと繋ぐで掛けてんじゃーん
誰が歌うのさ?って問いかけに僕が歌うのさって答えんのエモじゃーん
タイアップした『聖者たち』と繋ぐかたちで、1つのMVになっている『翻訳機』ですが、当時は「ネコ被ってんな・・・」と穿(うが)った見方をしておりました。
最近People知った人はどう思うんだろう?笑 別に普通なのかな。
MVを貼ろうかと思ったのですが、検索すればすぐ出て来るし、ライブを見て「Peopleはライブが良いんだよ」再認識したので公式(?)ライブ映像を貼る事にしました。
・・・う~ん、やっぱり良い!
この時のアー写、かなり良いですよね。
また面白写真シリーズで撮ってくれんか。
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9年前、1年で2社辞めた時は辛かった。
「今が人生のどん底だ」と覚悟を決めて、『翻訳機』をひたすら聴いて、「どこにも行けない自分の代わりにどうか、世界中を飛び回って。」と妬みも嫉(そね)みも無く願っていた。
音楽といえば、他にはモーモールルギャバンの『悲しみは地下鉄で』しか聴けなくなっていた。
(誇張なくそれ以外聴けなかった時期がある。なぜか『悲しみは地下鉄で』だけ聴けていた。)
人生のタイミングによって、聴く音楽の印象が変わる事は多々ある。
それと同時に、人生を通してその1曲を聴けるという事は、その1曲に時を越える力が備わっているのだと思う。
そして、そんな凄いものを作れる人に憧れるし、誰かと分かち合いたいと思う。
ああ、1曲でもいからPeople In The Boxの曲が人類滅亡ギリギリまで残んねぇかな~~~~~!!
そっとこちらも。