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アンガーマネジメント

新型コロナの影響で,世間の攻撃性が高まっているように思う。



アンガーマネジメント

「怒り」は,誰でも感じることがある。
怒りとのつきあい方という観点からすると,怒りを「コントロール」するための具体的方法を探求する方が良い。
そこで開発されたのが,「アンガーマネジメント」という怒りのコントロールの方法である。
アンガーマネジメントを身につけて,自分の中で起こる怒りや,他者から向けられる怒りと上手につきあっていくことで,自分の身を守れる。


怒りに隠された別の感情

怒りを感じた時を思い出すと,以下のような怒りとは別の感情も感じているそうだ。

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上記の記事では,「不安」が,人々の攻撃性を高めていることが書かれている。


怒り経験に対する筆記効果

遠藤(2009)は,怒り経験に対する筆記の仕方が,精神的な健康に及ぼす効果を調べている。

以下の4つの群を設けて,怒り経験に対する筆記効果を検証した。
1. 怒り感情内容群:自分の感情や考えを含めた怒り経験 の全てについて筆
          記する群
2. 怒り感情群:怒り経験について内容よりも感情に焦点化して筆記する群
3. 怒り内容群:怒り経験について感情よりも内容事体に焦点化して筆記する
        群
4. 統制群:怒り経験とは関連のない本日の予定を筆記する群

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実験の結果,以下のことがわかった。
1. 怒り感情内容群が,怒り経験についての理解が最も高い
2. 怒り感情内容群が,怒りの鎮静を図ることに寄与
3. 怒り感情内容群が,不安と不眠を改善


怒りのレベル

平木(2009)によると,怒りには,3つのレベルがあると言われている。

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引用文献:
平木典子 (2009). アサーション・トレーニング–さわやかな〈自己表現〉のために(改訂版)日本・精神技術研究所


自分の「怒り」への対処方法

1. 自分が「怒り」を感じていることに気づく
2. 怒りの程度を把握する
3. 「怒り」のレベルがマイルドから中程度の時に対処する
4. 他者の言動がきっかけで「怒り」を感じているが,他ならぬ自分が「怒 
 り」の感情を起こしたと認める
5. 怒りに隠された「心の痛み」の正体を知る
6. その「心の痛み」の正体が,自分のどのような「思い込み」や「価値観」
 によるものか把握する
7. 自分の「価値観」が,ある程度相手と共有できるか考える
8. 共有できるのであれば,アサーティブに伝える
9. 共有できないのであれば,別の方法を考える


アサーティブに伝える方法

�・DESC法を使う
 Describe:客観的に伝える
� Explain:自分の気持ちを説明する
� Specify:具体的な解決策を提案をする
 �Choose:否定されたときの別の選択肢を示す

※アサーションについては,下記の記事でご覧ください。


他者からの「怒り」への対処方法

1. 「怒り」が相手のものであることを確認する
2. 相手の怒りを否定しない
3. 相手のものとして受け止める
4. その「怒り」のレベルを把握する
5. 「怒り」の理由を理解し,それに対応する
6. 相手の怒りに対して,自分の気持ちが防衛的になっている時,その気持ち
 を言語化する(例;少し待ってください)
7. 第三者に仲介を頼む


参考文献

�遠藤寛子 (2009). 怒り経験の筆記が精神的健康に及ぼす影響 感情心理学研究, 17, 3-11

遠藤寛子・湯川 進太郎. (2012). 怒りの維持過程──認知および行動の媒介的役割── 心理学研究, 82, 505-513.

葉山大地・櫻井茂男 (2010). 冗談に怒りを感じた場面における聞き手の反応を規定する要因の検討 教育心理学研究, 58, 393-403.

 平野 美沙・湯川 進太郎 (2013). マインドフルネス瞑想の怒り低減効果に関する実験的検討 心理学研究, 84, 93-102.

藤井義久 (2010). 怒り感情の発達 心理学評論, 53, 93-104.

木野和代 (2000). 日本人の怒りの表出方法とその対人的影響 心理学研究, 70, 494-502.

木野和代 (2004). 対人場面における怒りの表出方法の適切性・効果性認知とその実行との関連 感情心理学研究, 10, 43-55.

湯川 進太郎・日比野 桂.(2003). 怒り経験とその鎮静化過程 心理学研究, 74, 428-436.


アンガーマネジメントに関する参考書籍



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