見出し画像

創業40年過去最高売上、どうして今ピートラ(企業改革)するの?『ピートラ』Vol.33

皆さま、こんにちは。『ピートラ』乗組員1もりもとです。
昨年2022年4月に書き始めた、ピープル株式会社の企業変革活動記『ピートラ(ピープルトランスフォーメーション)』は、読んでくださる皆さまのおかげで一年経ちました!
一年間私達自身の言葉でありのままに書き留め、書き続け、書き溜める・・・そんなチャレンジができました!とはいえ、ピートラはまだまだ始まったばかり。二年目もありのままに、カッコ悪い事も正直に綴れる場にしていきたいです。
今日の『ピートラ』は、改めてピープル株式会社の現状と、今後の変革への想いをお伝えしたいと思います。タイトルにもある通り、ピープル株式会社は昨年、過去最高の売上となりました。周囲からは一見順風満帆に見えるかもしれませんが、私達は今変革が必要です。どうして今ピートラ(企業変革)するの?その理由を綴っていきます。

変わり果てた、収益構造とビジネスモデル

私達は、お陰様で40年間事業を続けています。0歳から3歳いわゆる未就学の子ども達が楽しめるおもちゃを自社内で企画し、中でも「いたずら1歳 やりたい放題®」「磁石でピタッ! ピタゴラス®」「愛情のおけいこ ぽぽちゃん®」は、どれも1980年~90年代に誕生し、今も主力商品の1つです。当時0~3歳の小さな子どもが夢中になって遊べるおもちゃはめずらしく、影響力の強かったテレビコマーシャルの力も手伝って、どんどん普及していきました。結果1つのマーケットが創られ、知育玩具とカテゴライズされるまでに成長しました。
ロングセラー商品がある事は本当にありがたい事です。でも、ロングセラー商品に頼りすぎたことで、実は収益構造に大きな変化が起きているのです。

約10年前と現在の、原価率の比較

このグラフは、商品の売上金額を100%とする時の、原価の割合を表したものです。約10年前と比べると、原価の占める割合が上昇しています。時代の流れの中で、モノ(製品)の値段が上がっていくのは当然の事。本来であれば、小売価格の値上げが必要です。ですが、昔から愛されている商品という理由で大々的な値上げを行う事もままならず、競合商品との兼ね合いで競争できる価格をつけないと負けてしまう・・・中でも「磁石でピタッ! ピタゴラス®」は、喜ばしいことにアメリカの子ども達に「Magna-Tiles®」という名前で愛されるまでに成長したのですが、それが結果、アメリカ市場の厳しい価格競争に巻き込まれることになり、原価率の上昇に拍車をかけてしまいました。
こうして、収益力低下の傾向は今もジリジリと進んでいます。
さらに私達の強みである、テレビコマーシャルを見た子ども達に「欲しい!」と声をあげてもらう事で商品が普及したビジネスモデルも、2000年以降ネットの普及と共に情報が多様化し、1つの商品を知って購入するまでの経路が複雑になり、広告や販促の施策にマンパワーが必要になっていきました。社員数50名の小さな企業にできる事は限られていて、テレビの影響力が強かった当時だからできたビジネスモデルは通用しなくなっていきました。
大切に育ててきた商品を、これからも子ども達に届けたい!私自身ずっとそういう想いで商品開発を続けてきました。でも、ここに夢中になればなるほど、収益構造とビジネスモデルが変わっていってしまったのです。

原点に還ることじゃない、それは新しい創造哲学を完成させること

こういった過去からの変化は企業ではよくある事かと思います。数年前、この変化に対して問題意識を持った私達は、社外のマーケティングのプロの方と一緒に、会社の実態をSWOT分析して、事業ポートフォリオを見直し、これからの戦略の作り方を色々と試しました。やってみて生まれたのは、自分への問いです。
「変わってしまったものを原点回帰したいの?」
「強みを活かしてシェア拡大を狙いたいの?」
私は全くそうではありませんでした。それは、私が大切にしている、これぞピープルと信じている言葉があるからです。

ピープル株式会社の創業者 桐渕真一郎より(原文ママ)

これはピープル株式会社の創業者である、桐渕真一郎(きりぶちしんいちろう)が、私が入社5年目位の時にくれた言葉です。だんだんと仕事を覚えてきた20代の私が、上司に言われた事をやるだけの仕事をしてしまったり、つい過去の慣習に倣ってしまう事への不安を打ち明け、周りの人と足並みが揃わなくても、やっぱり自分は新しい事にチャレンジしたい!と訴えた時に、この言葉をくれました。当時の私は会社全体を見る視野もなく、必死に目の前の商品開発に取り組んでいて、この言葉の意味を理解できていなかったと思います。
 
時は経ち、当時よりは会社全体を見る視野が育ち、経営チームに参加する様になった今は、この言葉が雲間から刺す光のように、鋭く温かいものに感じます。

ピープル株式会社は今、新天地開拓の時

過去の成功を大切にしながらも、成熟したマーケットだけに根を張りしがみつくのではなく、新しいチャンスがあると信じる未開拓のフィールドにフットワーク軽く飛び出す挑戦をしたい!その情熱や行動の中心には会社のパーパス「子どもの好奇心がはじける瞬間をつくりたい!」があります。
先が見えなくてどうなるのか分からない事を試行錯誤する時は、孤独や不安をやっぱり感じます。でも今のピープル株式会社には、数年前にはなかった「自分がやるんだ」という意識を持ったメンバーが確実に増えてきています。
嬉しいことに、私は今孤独ではありません。
仲間と一緒に新天地へと飛び出し、新時代にも新事業にもフィットする会社へとトランスフォーメーションしたい。新しい創造哲学を完成させるのは、誰かがやってくれるんじゃない、自分がやるんだと。情熱を燃やし続けたいと思います。

今日の『ピートラ』はここまでです。最後まで読んでくださりありがとうございました。二年目の『ピートラ』もよろしくお願いします!!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?