東京のサウナに行って、絶望した話。
僕は日帰りで東京に行った。
元々、人と会う予定だったけど急なリスケになった。
何をしよう。まあ、とりあえずサウナだよな。
時間も潰れるし、気持ちいし、サウナを趣味にしていてよかったなと改めて思った。
施設数は国内TOPであろう東京で、サウナを厳選するのは容易ではなかった。
まあでも平日だし、大して混んじゃいないだろう。
なんてったって東京だし、マナーも悪くはないだろう。
そんな僕の考えは、一瞬で蹴散らされることになる。
僕は、とりあえず錦糸町に向かった。
ここでも選ぶのは容易ではなかったが、厳選に厳選を重ねあるサウナにたどり着いた。
ワクワクしながら中に入ると、まず店員がいない。
初めてなので店のシステムもわからず、オドオドしていると同じ年齢くらいの方が話しかけてくれた。
「ここ、人手不足すぎて店員いないんすよ。だから全部セルフっす。」
おいおいと。そんなことがあっていいのかと。
ましてやここは東京だぞ、人手が不足してるなんて。
雲行きが怪しくなってきたと思っていたが、とりあえず言われた通り入場券を買い中へ入った。
その後、サウナでも思い切り面食らうことになった。
まずこれは仕方ないことかもしれないが、混雑度が半端じゃない。
友達同士で来ている人が大半で、サウナ室は常に満パン状態。
ところどころサウナ室内で会話も聞こえるが、店員がいないため注意しても問題になりそうなので控えた。
その後、水風呂に浸かっていると、サウナから全身刺青のおっさんが掛け湯もせずに僕の横にダイブ。
怒りでどうにかなりそうだったが、背中の般若を見て喉が詰まった。
そもそも、刺青は良いのか?ここは銭湯ではない。
だが施設内を見回しても刺青NGのような張り紙はなく、もしかしたらOKなのかもしれないと、右腕の鯉を見ながら複雑な気持ちになっていた。
更衣室で休憩していると、先程の刺青が入ったおっさんも出てきた。
皆が休憩するベンチにベターんと、仰向けに寝転がり始めた。
「おおおーーーー」と、でかい声を出しながらくつろいでいる。
はあ。もうだめだ。
腹に入っている龍と目が合い、メンチを切られてる感じがして怯んだ。
いくらなんでも、その人に注意する勇気が僕にはなかった。
返り討ちにでもあったらどうしよう、店員もいないし。的な。
すると、まさかのそこに店員らしきおばちゃんが近づいてくる。
多分、清掃を担当している方なのだろう。外人の方か。
マットを持って刺青のおっさんの方へ歩いていく。
おお、流石に注意するのかな。
僕はここで絶望した。
「あら〜いらっしゃ〜い、今日もかっちょいいねえ!フウ!」
え?
もう一度言います、え?
この施設内で誰よりもでかい声で話し始めるではないか。
苦しい。色んな嫌なことが起こりすぎて、苦しい。
120分で入っていたが、60分もおらずに退店した。
僕は数ある東京のサウナ施設の中で、大はずれを引いた。
もしかしたら、今日だけがたまたまこういう日だったのかもしれない。
ついてねえわ。
そう思いながら、地元愛知のサウナピアのことを考えていた。
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