「あなたにこの物語の犯人はわからない」 ― 著者(中山七里)
ハラハラの連続で、ページをめくる手が止まらなく、飽きることなく最後まで一気読みした作品。
というあらすじです。
「生活保護」をテーマにした小説で胸がしめつけられる内容でした。
低賃金であくせくするよりは、働かずに生活保護を受けた方が楽だという、制度のうえに胡坐をかく人。対して、飢え死にするほど生活が困窮しているのに、自分の生活に税金を使ってもらうのは申し訳ない、他人に迷惑をかけるのは嫌だ、恥ずかしいと、生活保護を遠慮する貧困者。
最低限の生活と命を守るためのセーフティネットであるはずの生活保護。そして、セーフティネットのはずの生活保護にも予算があるのが現実。予算と人員が限られ、その中で緊急度、困窮度の高い人を正確に見極め、不適正受給を打切り、相談に乗り…という、役所の方の立場からの職業倫理や公私の葛藤についても考えさせられました。
犯人は誰なのかと推測しながら読むという面白さと、そして物語として面白いだけでなく、社会の実情を考えるきっかけになるとても深い作品でした。
この本を読むと、本当に必要としている人のところに生活保護が届きますように…🙏と願わずにはいられない気持ちになります😔
ここまで、読んで頂いて本当にありがとうございました♡
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?