IRIS

ヒプノセラピスト・過去世リーダー(リーディング)のIRISです。今まで私が体験した過去…

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ヒプノセラピスト・過去世リーダー(リーディング)のIRISです。今まで私が体験した過去世(前世)をどのような事を考え・感じ・生きたのかを小説風に表現していきます。 ブログ⇒https://misty-avalon.hatenablog.com/

マガジン

  • ある過去世の物語

    過去世リーディングやヒプノセラピーを体験された方々の過去世のお話です。

  • 思考・仕事・心理

    過去世の物語以外の私の考えや仕事のことなど、日々の出来事について書いていきます。

  • 私の過去世

    ヒプノセラピーや過去世リーディングで知ることのできた私の過去世のお話です。

  • 私の過去世(有料版)

    ヒプノセラピーや過去世リーディングで知ることのできた私(IRIS)の過去世のお話です。

最近の記事

舞踏会

踊れ、踊れ、この時間は一瞬 顔には笑顔、足元には軽やかなステップを 心の中は欲望と野望と栄達への近道を探りながら 互いの望みと勝利への駆け引きを巧みに巡らしながら 幾重もの思惑を何重にも巡らせながら夜は更けていく 私はこの国で女王に仕える侍女。 侍女の中ではかなり上位の方だと思う。 この宮廷で女王が女王でいられるよう私たちは暗躍する。 私たちは女王の手足となり情報を収集する。 女王と臣下は一見すると忠誠心と信頼にあふれた騎士道精神のように見えるが、その実はいつだれが裏切るか

    • 見ざる聞かざる言わざる

      聖母マリアよ、私をお守りください。 いらない、こんな力はいらない。 どうして私にこのような力があるのか。 小さいころから私には人とは違うところがあった。 他の人が見えていないものが見え、聞こえない声が聞こえていた。 まだ幼かった私は思ったままに周りの大人たちに聞き、長じるにつれてそのことを口に出してはいけないのだと折檻されるたびに理解していった。 幼いころは家族や近所の人たちなど、とても近しい人たちだけだったので見えないものが見えることを話しても折檻されるだけで済んだ。

      • 疫病の都

        私はこの高い城壁に囲まれた帝国の中でも1,2を争う大きさを誇るこの町で家族とともに暮らしている。 私たちの家は商売を営んでいて、朝から晩まで一家総出で働いていた。 両親・兄弟たちとも皆で働いて、一日が終わり皆で一緒の食事をとるのがとても楽しみだった。 朝から晩まで働いていたが誰一人としてそのことに不満を持つものはおらず、家族皆でいつも一緒に働くことがこの先もずっと続くと思っていた。 そう、あの時までは。 今までどんな敵の侵入も阻んできたこの高い城壁も「あれ」にはかなわなかった

        • ある女性の生き方

          私は浜辺に立ちあの人の帰りを待っている。 私は名もない小さなこの漁村で生まれた。 物心ついた時から家族と一緒に漁の手伝いをして育った。 小さな村だったから家族と村のみんなとともに協力していかなくては生きてはいけない、そんな貧しい村だった。 男たちは船に乗って漁に出て女たちは陸でその帰りを待つ、それが当たり前の暮らし、生き方だった。 この小さな村の中で私は育ち、同じ村の男と結婚した。 一生村から出ることはない、けれどそれを悲しいとは思わなかった。 この村以外での生活など想像で

        舞踏会

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        記事

          出航

          もうすぐ船が出航する。 新人の船乗りとして僕もこの船に乗っている。 船も僕も初めて海に出る。 時は大航海時代。 各国が大西洋の向こう側に向けて船をどんどん出航させている。 国同士の思惑も複雑に絡み合って、この世の覇権をめぐっていろいろな駆け引きを巡らしているそんな時代。 僕は船乗りの見習い。 見習いといっても下っ端だからいろいろな雑用をさせられている。 ちゃんとした航海技術を学んだわけでもないから船を動かす方法も全く分からない。 下っ端だし雑用係として雑用をさせられるのは

          戦うこと祈ること

          仏の教えを広めるために我は戦う。 この世は乱世。 人々は自分が生き残るために自分以外を利用する。 だましあい、裏切り、抜け駆けするためにあらゆるものを利用する。 親も子も夫も妻も、表面ではにこやかに笑いあうが腹の中では出し抜く方法を探りあっている。 誰もがみな人を信用しない、そんな世の中。 我は物心つかぬ時に僧侶になるために寺に入れられた。 親がどんな身分でどのような人物だったのか、成人した今でも全く分からない。 今更興味もない。 寺と僧侶だけが我の世界。 しかしそれをこ

          戦うこと祈ること

          旅の支度

          そろそろ私をミイラにする作業が終わる。 私はこのエジプトの王女だ。 正確には「だった」 病気か事故かなぜ私は死んだのかは忘れてしまったが、若くして死んでしまった。 父も母も嘆き悲しんで死出の旅に最愛の王女として出るのにふさわしい葬儀をしてくれた。 最高級の扱いで私の体をミイラにしてくれた。 そしてその作業ももうじき終わる。 作業員たちも私が死んだことを残念に思ってとても丁寧な作業をしてくれた。 ミイラとして最高の仕上がりなのではないか。 それほど作業員たちは見事な仕事をして

          旅の支度

          mors

          ここ数日、大地が揺れていた。 いつものことだったので誰も気にも留めていなかった。 父も母も長老や奴隷たちも。 もちろん私も。 ここはベスビオ火山のふもとの町でそのベスビオ火山はいつも噴煙を上げていた。 噴煙を上げてはいたが、それはいつものことだったし地震もまたいつものことだった。 だれもいつものこととして何も気にしてはいなかった。 そして『その時』はやってきた。 ベスビオ火山が大噴火を起こしたのだ。 空は一瞬で暗くなり、噴煙の煙と溶岩が私たちのいる町に向かって迫ってきた。 私

          果てなき野望

          私は宦官。 宦官になるために何年も勉学に励んだ。 地方から都に出てきて一人孤独に耐え、あらゆる誘惑にも乗らず 血のにじむような勉強漬けの日々を過ごした。 そして科挙試験に合格し、晴れて宦官となった。 宦官となるためにはあの手術が必要だったが、輝かしい未来のためなら惜しくない。 一時の快楽と長きにわたる栄光をはかりにかけたらどちらを取るべきかは考えなくても即断できた。 私は体の一部と将来邪魔になるであろう親族は切り捨てた。 容赦なく。 そして私は今、皇后付きの宦官となった

          果てなき野望

          遥かなる場所へ

          自分は偉大なるアレクサンドロス大王の率いる軍隊の兵士の一人。 大王が世界の制覇を目指し東へ進軍を始めたとき、自分も大王の大いなる野望を信じてついてきた。 諸ポリス・アレクサンドリア・ペルセポリス・そしてインド。 これらの都市・地域を圧倒的な力でねじ伏せ、東の未知の地 インド へ入ったとき、自分は熱病にかかった。 大王の活躍をもっと見たかったのだがそれはかなわぬ夢となった。 大王の夢を見届けることなくこのインドの地で自分は生涯を終えた。 私は私は偉大な将軍、鄭和に仕える兵士。

          遥かなる場所へ

          落日

          その時は近づいている 私はこの花の都で支配者の主人に仕える侍女。 私の主人は女性で老境の年に差し掛かり、若かりしときよりもわかりすぎるほど衰えてきていた。 この地を支配し始めたころは一族も仲間も沢山いてにぎやかな時だったのだろうと想像できた。 だが今は一族は死に絶え、残るは私の仕えるこの女性ただ一人となってしまった。 咲き誇る花のように繁栄を極めた一族も今はもう過去の遺物となり、ろうそくの炎が消える前の最後の輝きを放った後のような、誰にももうどうすることのできない最後の時を

          コロニア最後の日

          ここはローマから離れた辺境の地。 辺境とはいえローマからの入植者たちも大勢いて、ローマと同じというのは大げさだけどかなり繁栄している植民都市だと思っている。 正確にいうと「思っていた。」 城壁に守られたこの都市のなかは人々の活気にあふれ何気ない生活がいつまでも続いていくものと思っていた。 私はこの都市の有力者の娘で父からもローマのことやその他の町や海の向こうの植民都市のことをよく聞いていた。 その中でもわが都市は一にを争うほどの繁栄を誇っていると思っていた。 それは私に

          コロニア最後の日

          声を聞く

          私は今まで神殿の中から出ることはなかった。 小さいころに巫女として神殿に預けられ 神の声を聞く修練を積み 長い年月ののち巫女として市井の人々から尊敬のまなざしを受けるほどとなった。 修練は厳しくなかったといえばうそになるが、その辛く苦しい修練の先に神々とつながることができると信じていたから耐えることができた。 神殿に預けられた時から今まで外の世界に出ることはめったになかった。 このまま神殿の中で神の声を聞きそれを伝え、そして一生を終えることを当然のことと思っていた。 それが

          声を聞く

          最後の日

          あの日、皆が幸せだった。 あたしは山のふもとに住む村の一人で、旦那と子供と義両親と暮らしていた。 旦那と一緒に畑を耕し作物を育てていた。 あまり肥えた土地ではなかったので家族が暮らしていくぐらいの量しか取れなかったが、家族が暮らしていくにはどうにか暮らしていけていた。 農閑期には山の上にあるお城へ手伝いに行って駄賃をもらって生活費の足しにしていた。 手伝いというのは何か祝い事やお城に人がたくさん集まるときの炊き出しの手伝いとか裏方の仕事で、今日は何か重大な祝い事があるという

          最後の日

          砂漠の姫君

          カーン…… 城門のわきにそびえる鐘楼の鐘が鳴った。 カーン……カーン…… 再び鐘がなり今度は城門が開かれた。 城門の前には町の人々が集まっていた。 人々が見守る中、隊列が現れた。 人々の前を通り過ぎていく。 その隊列の中央には一人の女性が馬に乗り人々の前に姿を現した。 顔は白いベールで被われ絢爛豪華な衣装を身に着けているが、きらびやかな指輪をつけているあろうその腕は体の後ろに回されてきつく縛られていた。 人々の悲しみや同情の声を聴きながら、隊列は静々と進んでいった

          砂漠の姫君

          ある愛の話

          私たちはこのトレビの泉の前で出会った。 私たちはあった瞬間に恋に落ち、すぐに恋人となった。 待ち合わせの場所はいつもここ、トレビの泉の前だった。 私たちは晴れた日も雨の日もここで待ち合わせ、 自分のこと、相手のこと、お互いのことをよく話し合った。 ずっとこの時が続くと思っていた。 けれどある日あの人は私に別れを告げ、私の前から去っていった。 私は今もここであの人が帰ってくるのを待っている。

          ある愛の話