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【映画ドラマよもやま】危険な関係

この映画・・何度か色々なバージョンで作り変えられてますが、私が好きなのはジャンヌ・モロー様バージョンと、こっちのグレン・クローズ版。


1988年の製作で2回めはレクロの原作が高校生の課題図書ということで。息子氏の宿題ついで。あたしもついでにもっかいストリーミング。ま、源氏物語的古典ですな。。

とにかくセットが良い

ちょうどこの映画が作られた頃フラッシュ・ダンス、トップガンに続く、グレートアメリカ。アメリカ経済の豊富な資金が、海外ロケに使われたのは素晴らしいことだと思う。アマデウスもそうだったけど、装飾衣装が素晴らしい。豪華なおフランスのクラシック時代劇です。

この作品がこの年のアカデミー賞じゃなかったことがおかしい?とおもってこの年のアカデミー作品賞を調べたらレインマンだった。。。アカデミー会員の審査員はこういうフランス退廃映画はお嫌いなのか?屋敷や衣装もずっと目を凝らしてみているが決しておかしなところもなく、歴史家の衣装監修がしっかり入ってることがわかる。


いやー。この映画最高ですよ。原作がいいって言うのもありますが、要するに暇つぶしに、人の嫌がることをする貴族のイケズ男女たち。

ほぼこの時代の文学デフォですな。こんな話ばっかり!

さて


ジョン・マルコヴィッチの美しい口説くセリフはテキストで読みたいぐらい。。読んでないけど原作に則っているのでしょう。めっちゃ文学的やし。どんな役でもこの人がやったらこの人に見える。他の役者は考えられない。なんで脚本賞もとれへんかったんや?⇒文学が原作の場合は取れないらしいです。ドライブ・マイ・カーもそうなの?



この役は当時だったらメリル・ストリープかグレン・クローズしか配役はなかっただろうとおもわせる。グレン・クローズの最高作ではないかしら芝居ががかった大げさな演技で頭一つ抜けて見えます。そばかすだらけの肌がまたリアリティ。般若顔がまたいい。


夫に忠実な婦人としてのミッシェル・ファイファーはいまいち。でも当時アメリカでは絶大人気だったから抜擢されたのでしょう。(Mother!で久々に見たけどかっこよかった)これは欧州人の女優さんのほうが良かったかも。どうみてもアメリカン女優に見えてしまう。フランスの貞淑な婦人イメージ女の悶々とした葛藤は下手。


若い頃のキアヌ・リーブスと瑞々しい美しさのウマ・サーマンのきれいなこと。。キル・ビルでタランティーノにボロボロにされる前だし本当にこの役みたいな能天気オーラがでている。彼女ってなんかヨーロッパっぽいイメージ。キアヌは後にジョン・ウィックになる人なので。。イメージ違うなぁ。。



あらすじはまあ人を陥れるために、元貴族の愛人カップルが自分の周りの人たちの恋愛感情を逆なでし陥れ仕向けていく話ですが、所々ちゃんと神様存在も。まるで現代の感覚で軽々しい。まぁこいつら倫理観もなにもない貴族ですものね。


その元愛人貴族カップルの手紙がメインなのですが、劇中では色々人宛の手紙を随所に出してくるという素敵な演出。音楽も素晴らしい超バロック。

ほぼ 35 年ぶりの鑑賞だったのですが、クラシックは変わりませんね。人の心、裏切り、恋愛、処女の価値、猜疑心、嫉妬。アメリカ映画ですが監督は英国人なので米英仏連合軍共作の素敵なエンタメ作品です。前世紀後期の傑作ですわ。

このどす黒い退廃の腐りつつも最高に耽美。
王道耽美の堂々たる腹黒さ。最高よ~~。

グレン・クローズすごすぎる!

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