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高齢者は肥満になった方が健康的?

▼ 文献情報 と 抄録和訳

高齢者の健康状態の悪化と栄養状態の関係。肥満と痩せ型、どちらが良いのか?

Kuzuya M. Nutritional status related to poor health outcomes in older people: Which is better, obese or lean? Geriatr Gerontol Int. 2021 Jan;21(1):5-13.

[ハイパーリンク] DOI, PubMed(Full text), Google Scholar

✅ 結論
メタボリックシンドロームが高齢者の予後に与える影響は、中高年に比べて明らかに減少しており、高齢者の医療関心はメタボリックシンドロームからフレイルへと移行する必要がある。

[概要]
良好な栄養状態は、人生のあらゆるステージにおいて成長と健康を維持するために極めて重要である。しかし、栄養状態と健康の関係、および様々な健康関連のアウトカムへの影響は、ライフステージによって異なる。栄養状態の違いに直接関連する高齢者の多くの有害な転帰は、中年の成人には見られず、理想的な栄養状態も異なる可能性がある。この記事では、主に肥満度などの体格測定で評価される高齢者の最適な栄養状態について、さまざまな観点から検討する。全般的に、高齢者では、肥満度が低いと中高年に比べて死亡率や身体機能の困難などの健康問題のリスクが高くなり、過体重や(腹部)肥満の健康問題のリスクが低下する。高齢者や社会的弱者である高齢者では、低レベルの標準体重よりも過体重の方が有益である可能性がある。一方で、肥満の有無にかかわらず、骨格筋の減少や衰え、また意図しない体重減少は、高齢者の健康問題を誘発する。メタボリックシンドロームが高齢者の予後に与える影響は、中高年に比べて明らかに減少しており、高齢者の医療関心はメタボリックシンドロームからフレイルへと移行する必要がある。高齢者の最適な栄養状態については、まだまだ不明な点が多く、健康長寿を支えるためにはさらなる研究が必要である。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

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✅私は、『リハノメ』というオンラインサービスをよく視聴し、勉強させて頂いているのだが、以前下記の講義を視聴させて頂いたときも、上記のような話をされていた。結構衝撃的であった。「肥満は絶対悪、痩せるのも絶対悪」ではなくて、その人の体質やライフステージを考えたうえで、健康管理を行っていきたい。

【後編】新しい老年医学の考え方 ~よりよく生きるための医療~ https://www.gene-llc.jp/rehanome/contents/eea1094b301f1ba43c752e9d80e26fc5839bf0de/ #

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