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壊れたカメラと行く 新春の房総巡り①

こんにちは。隣の芝生です。

 少し前のロマンスカーVSE引退記事や、ロマンスカーミュージアムの記事をお読みになられた方はご存知かと思われますが、私のカメラがここ半年くらい機嫌を損ねています。というか、"老体に鞭を打って無理に使い倒している"というのが語弊のない表現で、起動時に3回に2回くらいの確率で黒潰れ/白飛びが発生してしまっていました。

 ただ、VSE引退という緊急性の高いイベントをなんとか無事に乗り切り、3回に1回は正しく映ることを考えると、まだまだ買い替えるのはもったいない。私のこの貧乏性と言ったら。なにより、白飛び/黒潰れする時は、カメラを構えた段階で正しい色味で表示されないので、下手な故障よりはよっぽど扱いやすかったんですよね。

 そう、房総旅行の日までは。


 今回は、撮影時にプレビュー画面で正しく写っていたが故に、全て綺麗に撮れていると思っていたら、実際は白飛び写真のオンパレードだった旅行の供養回となります。カメラくんも途中で定期的に正気に戻るので、どうか生暖かい目でご覧ください。



■外房線の最大都市 茂原へ

撮影時は正しく映ってたので、既に白飛びしていることなんて知る由もなかった。
今回はずっとこんな調子です!


まずは外房線沿線で最大の都市、茂原に降り立ちました。駅前には人口8万人程度という都市規模に不釣り合いなほど立派なビルが建っていました。

施設名は「南総サンヴェルプラザ」で、上層階には図書館、その他には中層階に学習塾、下層階には商店が入居していました。ただ、ハッキリ言って、学習塾と市の図書館と小規模商店を詰めるだけなら、ここまで豪勢な建物はオーバースペックなように思えます。この裏には何かがありそうだ。

あっ…(察し)


この時計を見てピンと来たあなたは、一定の年齢以上の方か、小売に明るいオタクです。そうです。こちら昔は百貨店の茂原そごうだったんですね。

 写真の時計はディズニーのからくり時計です。茂原そごうがどういう仕様だったのか現在では知る術が無いですが、毎時0分頃になると、からくり人形が裏から出てきて、「It's a small world」を一通り踊った後、気が済んだら引っ込む仕様になっていました。

 ディズニーファンの方なら、舞浜のIt's a small worldのスポンサーに、一時期そごうが名を連ねてたのを記憶してる方も多いんじゃないでしょうか。ひょっとすると、このパネルの裏に人形がまだいるんじゃないかな…?


 百貨店業界も全体的に元気が無く、小売業全体で見ても、プレハブの箱積み建築×波々の薄い屋根の建物が多くなったように思える昨今、豪華な"からくり時計"を設置する店舗なんぞ早々見られなくなりましたね。何も利益に寄与しないコスト…と言われてしまえばそれまでなんですが、どうも店に行くワクワク感が削がれてしまったようにも思えます。ネットで何でも買える世の中だからこそ、実店舗のワクワク感が重要な気がするのは私だけか。

第一種大規模小売店舗プレート。ギリギリ平成。


施設の設置者名は茂原市でした。いろいろな文献を確認したところ、元々は地下2階、地上8階建てという都心郊外でも驚くレベルの複合施設を茂原市が計画していたようで、核テナントは扇屋ジャスコの移転入居が想定されていたようです。確かにロータリー挟んで反対側に、昔は大きいイオンがありましたね。

 それがどういう訳だか、地上6階建てという現実的なプランに変更にさせつつも、核テナントを百貨店に格上げするという謎現象が起こり、結果的に茂原そごうが開店したとのこと。その後の地方のそごうの行く末は、皆様お察しのとおりですが…。

建物の中に入ってみるがテナント入居率がやはり寂しい…。


 いくら当時のそごうの出店計画が無謀だったとは言えども、これが30年程前までは華やかな百貨店だった場所と考えると、どこか寂しい物があります。地方創生が叫ばれる昨今ですが、茂原や土浦や古河といった地方のそこそこ大きい都市に元気でいて貰わないと、今後都心回帰がさらに悪化するんじゃないかなと心配になります。

駅前には三越のサテライト店舗がありました。
ギフトショップでしょうか。


 同じ千葉県だと、他社に先駆けて松戸伊勢丹や千葉三越などの郊外店舗からあっさり撤退したMI系の店舗が、なぜか茂原に残存していました。一昔前の三越エレガンスやクイーンズ伊勢丹の生き残りかな?と思いましたが、高級スーパーというよりは"プチ百貨店"と言ったところ。三越と言えば、昔は夕方のテレ東で頻繁に蟹を売ってましたよね。やべ。年がバレるな…。

 入り口こそ小ぶりですが、フロア数が確保されていたので、ギフトショップよりは一回り大きい印象でした。日替わりながら、都心のデパ地下に出店しているテナントの出張販売なども行われていることから、

都心の郊外よりも、地方の相対的に大きい都市の方が勝算あるんでしょうか。



■駅舎改修が行われた上総一ノ宮

美しい木目の天井が特徴的な上総一ノ宮駅


次に外房線の郊外区間とローカル区間を隔てる上総一ノ宮駅に移動。この駅までは、都内からやってくる10両や15両編成の車両が日常的に入ってきます。

どうやら東京オリンピックのマリンスポーツの会場最寄駅として指定された後にリニューアルをされたようで、このような美しい天井や快適な待合室が整備されていました。

外観はこんな感じ


 建物自体は1939年築の戦前からの物らしいですが、現在では旧駅舎を上から覆う形(推測)でご覧のような状態になっています。シンプルで長閑な風景の邪魔をしないデザイン。画面右側の骨組みが透けて見えてますね。


奥には都心に向かう最新鋭のE235系11両がスタンバイ。
この駅よりローカル側は原則2両編成です
徒歩数分のところに鶏肉店を発見。電話番号4桁しかないけど地元の人ならわかる…?


■房総両線の終点 安房鴨川へ

昔から何も変わらない安房鴨川駅。奥には色褪せた広告塔のイオン。

上総一ノ宮から電車に1時間以上揺られ、最終的に降り立ったのは外房線・内房線の合流地点の安房鴨川。両線の終点ということで、房総半島の最南端の駅と勘違いしがちですが、実際にはかなり外房側にあります。

特急ホームの脇にあった謎の側線。おそらく機関庫の名残…?
フローレ鴨川ショッピングセンター(核テナントはイオン鴨川店)



 街の中心市街地である駅前に人が全然歩いていなかったので、イオンの集客も大丈夫なのかな…?と心配しておりましたが、杞憂でした。店内に入ると外の風景とは一変して、物凄い数の人が買い物に訪れていました。どうやら極端な車偏重社会のようです。

 車が地方で便利なのは重々理解しておりますが、外房・内房両線も程々に使ってあげないと、京葉線快速を剥がしてもいいとJRに判断されますよ。鉄道が不便だから車に流れるのか、車に流れるから鉄道が不便になるのか。


■そのまま内房線方面へ…(次回予告)

ローカル区間最新鋭のE131系(左)と特急型のE257系


 今回は、安房鴨川で鴨川シーワールドに立ち寄ることもなく、そのまま内房線方面へ向かいます。尺の関係で次回に持ち越しです。



いかがでしたでしょうか。そろそろカメラ買い替えなければな…と思いつつも先延ばししてしまったツケをいま払わされています。本格的に壊れる前にカメラは買い替えましょう。それではまた次回。


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