【 AIによる天気予報の新たなフロンティア】AIの天気予報がスパコンの精度を上回ったぞ

天気は私たちの日常生活に多大な影響を与えます。服装の選択からエネルギー供給まで、天候の予測は私たちの意思決定に影響を及ぼします。しかし、特に異常気象が増加する今日、迅速で正確な天気予報はそれ以前に比べてさらに重要になっています。

GraphCastはこの重要な課題に挑戦するために開発された先端技術の一例です。このAIモデルは、科学誌『Science』に掲載された論文で紹介され、最大10日間先の天気を驚異的な速さで予測します。これは、気象予報における前例のない進歩を意味します。

従来の数値天気予報(NWP)システムでは、物理方程式を使用して予測を行っていました。しかし、GraphCastはディープラーニングとグラフニューラルネットワーク(GNN)を活用し、大量の過去の気象データを学習して未来の天候を予測するという新しい手法を採用しています。これにより、天気予報の精度と速度が向上しました。

GraphCastは、気象条件を細かく解析することができます。緯度0.25度の高解像度で予測を行い、地球全体を37万以上のグリッドポイントに分割し、各地点で数多くの気象変数を予測します。この高度な解像度は、異常気象の早期警告やサイクロンの進路予測、洪水リスクの特定、極端な気温の発生など、多岐にわたる予測に役立っています。

GraphCastは、HRESなどの従来のモデルよりもはるかに高速で、数分で10日間の予報を提供します。そしてその予測精度も驚くほど高く、特に地表に近い大気圏の領域では、従来のシステムを大きく上回ります。

さらに驚くべきことに、GraphCastは訓練されていないにもかかわらず、異常気象を早期に特定できる能力を持っています。サイクロンの進路や大気中の河川の特定、極端な気温の予測において、従来の予測モデルよりも高い精度を示しています。

このモデルのオープンソース化により、世界中の研究者や予報士がGraphCastの恩恵を受けることができます。ECMWFはWebサイト上でモデルのライブ実験を行っており、モデルをさらに洗練させて様々な地域のニーズに合わせるための調整を行っています。

GraphCastは、AI技術を活用した天気予報の新たな時代の先駆者です。将来的には、気候変動のパターンを理解し、より環境に優しい意思決定を支援するための革新的なツールとなるでしょう。

ChatGPTより作成


天気予報がスパコンと比べて高い精度を見せてくれたけれども、スパコンの計算方法とAIの思考アルゴリズムで導く結果の違いらしくて、AIは今までのデータから、今までの天気がこういう傾向だから、今回もこういう感じになるでしょうという出力結果を出してくれるらしい。

なので、一年を通して今年みたいに暑い日が長く続くような例年にない結果は予測できないのではと思う。例年通りの気象だったら、精度は高いんだろうけれど、極端に暑い日が続いたり、寒い日が続くとおそらく精度はスパコンの方が上回るのでは。

研究チームはまだ伝統的な気象予測の代替と考えてはいない模様。なお、コストはスパコンよりも1000分の1程度で済むという。でも、これからの天気が統計的な見方で正確に予想できるのかは正直疑わしい。

信頼できないわけじゃ無いけれど、まだスパコンの方が信頼できるかな。それこそ、今後のAI予想の実績次第ではそっちに鞍替えしてもいいかな。


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