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脱マトリックス!理論と実践2020 (vol.21):体と感情・意識⑤〜心臓

執筆:いち あまね

この時代の人類の進化の方向性として、はっきりとこの世界の仕組みを理解した上で、マトリックス空間を抜け出し、自分を超え、人間を超え、無限の可能性を発揮するクリエイターとして生きること。

そのための情報をお伝えしていきます。

身体の観察を通して、自分自身の感情や潜在意識のプログラムを発見するヒントとなるように、身体の各部分と関連しやすい感情や潜在意識について、シリーズでご紹介しています。

今回は、心臓です。

生きていく上で最も重要な「ハート」「愛情」のテーマに関わる、心臓の知られざる役割や意識、感情についてお伝えしていきましょう。

心臓の生理的な機能と役割

動物の中には、なまこやミミズのように、心臓や脳がなく腸だけで生きている種類がいるものの、人間にとっては心臓や脳はなくなると生命が維持できない臓器です。

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心臓は全身に血流を保つためのポンプとして、私たちの生命維持に欠かせない臓器です。

脳と心臓はどっちが大事か理論がしばしば持ち上がりますが、脳死状態になっても心臓は長くて1週間程度動き続けて肉体を維持することができます。一方、心臓が機能しなくなると全身に血流が送られなくなって脳も死ぬため、すぐに命の終わりを迎えます。


オーケストラの指揮者

体は一つのネットワークを形成していますが、それぞれの連携が上手くいかなくなると、病気や不調を引き起こす原因になります。

脳と心臓は双方向に密なネットワークを形成しており、心電図と脳波がシンクロすると、血圧や呼吸など全身の様々なリズムがシンクロすることが明らかになっています。これを「身体的一貫性」と呼びます。

心臓の裏には、心臓神経叢という大きな自律神経の束があり、脳と心臓を連携させています。ストレスがかかると胸がキュッと苦しくなったり、恋する相手を見たらドキドキしたり、心臓は特に連携を感じやすい臓器だと思います。

心臓で情報が処理されると、その情報が脳にフィードバックされますが、その情報量は脳から心臓に送られるよりも遥かに多いことがわかっています。

最新の研究では、心臓は電気的なリズムを生み出し、振動や神経やホルモンを使って、全身の細胞にシグナルを送り、全身を同期させ、まるでオーケストラが交響曲を奏でるようにそれぞれの臓器が調和的に働くための指揮者の役割を担っていると考えられています。


心臓脳は学習、記憶、知覚を司る

心臓は、「心臓脳」と呼ばれるほどの複雑な神経ネットワークを形成しています。心臓神経学という新しい分野で研究されています。

高度な知覚、随意運動、思考、推理、記憶などの高次機能は大脳新皮質が担っていますが、心臓脳は、これとは別に学習、記憶、知覚する能力があることがわかっています。

心臓移植の症例が増えるにつれ、心臓移植を受けたレシピエントが、心臓を提供したドナーの明確な記憶を思い出して、情報を開示されていないはずのドナーの家族を訪問するなど、心臓移植をするとドナーの記憶ごと移植されるというエピソードが知られるようになりました。これも、こうした心臓の働きによるものかもしれません。

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魂の座はどこにある?

さらに、心臓移植例では、性格や思考までもがガラッと変わり、ドナーのそれにそっくりになったことなども多数報告されています。

魂の座がどこにあるか、また、魂自体が存在するのかは、現代科学では証明されているところではありませんが、古典には一つのヒントがあります。

ヒンドゥー教やジャイナ教では、心臓には、個々人の実存であるジーヴァ(Jiva)が宿る場所とされています。ジーヴァは、過去の輪廻の経験を蓄積し、私たちが死んだら肉体から離れる、いわゆる魂のようなものと考えられていて、個々人の最も高次の自我であり、高次の意識や知恵を持つとされています。

感情や魂、これらの研究が進まないことには、AIは人間と同じになることはできませんね。


心臓の電磁波が周囲の人に影響を与える

The Energetic Heartによると、心臓は、体の中で最も大きな電磁場を形成しており、1〜2メートル離れても測定可能であると言います。

心電図が安定している人は、電磁場を通じて、周囲の人の脳波を安定させる可能性があるそうです。

また、ポジティブな感情を互いに持っている場合、睡眠中に身体的一貫性を持てているとき、手を繋いだときには、二者間の心電図と脳波がシンクロしやすくなることが報告されています。同一の部屋にいる男の子と飼い犬も心電図がシンクロするという報告もあります。

心を閉ざしてしまうと、人と人とはコミュニケーションができず、繋がらなくなってしまいますが、それは言語的な意味だけではありませんね。


心臓の感情と意識、テーマ

・調和・平和
バランス
自己愛・自己を受け入れる
他者への愛・他者を受け入れる
保護
喜び/悲しみ


繋がりを感じる場所

心臓は、オーケストラの指揮者として全身を繋ぐための役割を担っています。同時に、ハートがオープンになると、自分と他者、世界を繋ぎます。

東洋的な古典では、心臓のチャクラは、上部と下部のチャクラを繋ぎ、バランスを保つために重要です。全てが繋がり合い、響き合う調和と平和の世界は、頭ではなく、ハートから作ることができます。


愛と受容

心臓は、自己を受け入れ、自己を愛する心の源です。それができてようやく、他者を本当の意味で受け入れ、他者を愛することができます。

胸にポッカリと穴が開いていると感じるとき、その穴を他者の愛情で埋めようとしますが、本当の意味で穴を埋めるには、自己を愛し、自分がその穴を内側から埋めることです。

自分を超え、人間を超え、無限の可能性を発揮するクリエイターとして生きるためには、脳を超えるだけでなく、ハートを開き、繋がりを感じる感性を取り戻すことが大切なステップです。

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自分を保護する

自身を保護したり、隠そうという本能が働くときには、胸を隠して庇おうとします。腕を組むというポーズは、本能的に胸を覆い隠し、自己を隠したい保護したい心の現れとされています。

自分を守りたい、知られたくない、心に触れて欲しくないなどの身体表現であり、この仕草は、自己と他者を接続したくない場合に無意識にとってしまうものです。

腕を組むと偉そうに見えますが、偉そうな人が普段から癖で腕を組んでいるならば、何かしら心に触れて欲しくないサインであって、保護されたい小動物のような内面が見え隠れします。


喜びと悲しみ

心臓は、五行でいえば火の陰であり、火の陽である小腸と同じく「喜び・悲しみ」の感情をテーマとしています。いずれも、脳と連携する心臓脳と腸の脳の首座であり、感情や潜在意識と強く結びついて動いています。

ものすごく嬉しいときに、心臓がドキドキして胸が高まったり、悲しいときには、心臓がキューっと縮んで痛みを感じたりするために、自覚しやすいと思います。

急性心筋梗塞の急性発作など重篤な心疾患の引き金になるのは、しばしば「愛情」が傷つくようなエピソードであったりします。

人間は、愛し愛されるために生きていると言っても過言ではありませんね。
死ぬまで、愛というテーマに向き合っていくのが人間なのではないでしょうか。

(つづく)


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【いち あまね プロフィール】
医師・認定産業医・文筆家
米国IBA認定・ボディトークプラクティショナー
国立大学医学部医学科卒

出口王仁三郎が霊山として、邸宅を構えた岡山県熊山遺跡の麓に生まれる。
某大学病院糖尿病代謝内分泌科を経て、臨床医として最新のバイオロジカル医療・予防医療から在宅・看取り医療まで幅広く臨床経験を積みながら、個々の病気の根本原因やより良き生と死に向き合ってきた。
究極のヘルスケアは、人類の進化であると捉え、最新の分子整合栄養療法・バイオロジカル医療から常在細菌学、生命科学、意識科学、理論数学、物理学、哲学などを統合した視点で、医療とヘルスケアの次元上昇を目指している。
薬を処方する代わりに、情報空間へのアプローチとして、情報を処方することを天職と捉え、書籍やメディアなどで情報を発信している。


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