見出し画像

フランス在住の日本人がアジアの言語を学んでいると言うと…

なんで?
と聞かれる。

特にフランス人からは怪訝な顔をされることが大半。
これが、スペイン語を勉強しています、なら話は別なんだが。

ちょっとヤケクソになって、休みの日は日本の大学受験対策のテキストで古文漢文を読んでいるなどと言おうものなら、もうこの場から去りたいぐらいのレベルの顔で「Ah…OK」と言われかねない。(経験有り)

面白いのが、こんなリアクションをする人々に限って、普段は全く私を外国人扱いしてこないのだ。
政治の話、歴史の話、2軒先のフィリップ(誰?)が相続した遺産を3日で使い果たした話を私が知っていることを前提に話してくる。
ところが今韓国語を勉強しているというと話は別なようで、フランスに住んでいる「日本人」がなぜわざわざフランス語以外の言語を学ぶのか。スペイン語ならまだわかる。なぜよりによって「極東」アジアの言語を学ぶのか、という疑問があるようだ。

フランスに住んでいる日本人はフランス語を学んでいる、というのはわかるが、フランス語やロマンス諸語の言語しか学んではいけないというわけではない。
だが、彼らの中ではそれが当たり前のことになっている可能性がある。

世界中のフランス語話者は母語話者だけで4億3,100万人(フランス語圏において主要言語ではない場合も含む)とされている。フランスは移民大国でもあるので、intégration(アンテグラシオン : 融合、溶け込むこと)は大切な問題だ。

あえて深読みをしてしまえば、intégrationの考えが浸透している社会において私は無意識のうちに少し異質に受け取られるのかもしれない。

繰り返すが、私はフランス語に敬意を持っている。
日本語同様英語化が進んでいく傾向を好意的に受け止められないほど。
だからといって、私は自分の人生をおフランス語一択に捧げるつもりはない。

だから、これからも言語について聞かれたら自信を持って言おうと思っている。

母語は日本語でその次がフランス語、その次が英語と韓国語かな。
スペイン語?
スペイン語は話せないけどディズニーの歌は全部スペイン語で聞いて歌ってるわよ。
あ、ラテンアメリカのエスパニョールのほうね。
他のヨーロッパの言語?
最近amazonで「ラテン語基本文法」買ったわねそういえば。
日本人だから中国語話せるかって?
谢谢もまともに発音できないけど、論語と史記の項羽本紀は最高のバイブルだって家人に薦めまくってるわ。

……あらあら大変。随分まとまりのない人間みたい。
ま、楽しいからいいのよ、これで。


Podcast配信中です。(Spotify / Apple Podcasts / Google Podcasts )

「パリと東京で頑張る女たち」で検索してください。
note未公開のエピソードについても語っています。


この記事が参加している募集

#多様性を考える

27,802件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?