マガジンのカバー画像

誰でもできる「科学的思考」

105
震災や感染症などで不安や混乱が取り巻く社会に決まって広がる似非科学、デマ。 SNSが発達した今、あなた自身がデマ拡散に加担しているのかも。 これは、ニセ情報に騙されないハウツーを…
運営しているクリエイター

2022年10月の記事一覧

似非科学は特定の価値観と結びつく

似非科学は特定の価値観と結びつく

「科学の理論を評価する正当な基準は二つしかない。論理と証拠だ。」(サトシ・カナザワ)

5年ほど前、唯物論研究協会にて。
私がPF理論のあらましを紹介し、それは生まれ変わりや超心理現象(テレパシーなど)を説明できると表明すると、会場にいたある会員は聞こえよがしに「そんなのあるわけない」と嘲笑交じりでヤジりました。

私も科学者のはしくれ。そう言いたい気持ちは分かります、当然。

しかしPF理論はそ

もっとみる
ぼんやりのすすめ

ぼんやりのすすめ

私はかねがね、新しいアイデアは机に向かっている時に生じない、と経験的に思っていました。

寝入りばな、起きがけ、風呂に入っている時、トイレ中など、あるいは部屋でただボーッと座っているだけの時に、それは生まれてくる。

あなたはどうでしょう?思い当たりませんか?

もっとみる
他人の災いは因果応報か?

他人の災いは因果応報か?

あるアンケートによると、「悪いことをすると罰(バチ)が当たる」と考える人の割合は76%に上る、とのこと(2020年8月13日付読売新聞)。

同記事によれば1964年の同じ調査での結果は41%であり、昭和の中頃より現代の方がこのような考えが広まっているそうです。

なんか意外ですね。

しかももっと意外なのが、現代にあって70歳以上よりも18~29歳の方がこの考えを支持している率が有意に高い(前者

もっとみる
マサチューセッツ工科大学の芸術教育

マサチューセッツ工科大学の芸術教育

科学やテクノロジーの分野で世界をリードするMIT(マサチューセッツ工科大学)。

籍を置いたことのあるノーベル賞受賞者は90名を超えるそう。

科学や技術の分野で世界をリードするMITですが、ここにはちょっと意外にも「人文学・芸術・社会科学」学部というのがあります。

その中の「アート・科学・テクノロジーセンター(CAST)」では、アートと科学やテクノロジーの融合を図り、「自然から学び社会とつなが

もっとみる
適正な意思決定のための三要素

適正な意思決定のための三要素

根拠に基づく医療(Evidence Based Medicine)のパイオニア、イギリスのミュア・グレイ医師は、「人間の意思決定は『価値観』、『リソース』、そして『エビデンス』の三つの要素で決まる」と主張します。
これら三つがバランスすることが、適正な意思決定・判断につながると言うのです。
どれかに偏ってしまうと合理的な判断はできない、と。

例えば休日に「登山に行こう」という意思決定をしたとしま

もっとみる