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他人の災いは因果応報か?

あるアンケートによると、「悪いことをすると罰(バチ)が当たる」と考える人の割合は76%に上る、とのこと(2020年8月13日付読売新聞)。

同記事によれば1964年の同じ調査での結果は41%であり、昭和の中頃より現代の方がこのような考えが広まっているそうです。

なんか意外ですね。

しかももっと意外なのが、現代にあって70歳以上よりも18~29歳の方がこの考えを支持している率が有意に高い(前者:63%、後者81%)。

まあ、これを意外と感じる時点で私も何らかのバイアスに捉われているのかも知れませんが(笑)。


人は偶発性を嫌う

そう思いたい理由、想像できますよ。

もし世の中が因果応報的でないとしたら‥。

悪いことをしていないのに不幸な目にあう人がいるのだとすると、いずれ自分もその憂き目にあうかもしれない、と。

それは認めたくない。
そう思いたくない為に、世の中は悪いことをした者が正当な報いを受けるようにできていると信じる。

差別の要因にも

 しかし問題もあります。

このような考え、すなわち「悪いことをしたら罰が当たる」という観念が発展して、「不幸は、その人が過去に不正を働いたからだ」という結論に至ること。

これは様々な誤信念や差別につながり得ます。

例えば「いじめを受ける側にも問題がある」とか。

犯罪被害者への不当な評価にもつながります。
ありがちな例として、「性犯罪被害者にも落ち度があった」など。

政治の世界にも、同じことが言えます。

ある国会議員のキャッチフレーズ「努力した人が報われる社会の実現」。

一見妥当そうですが、様々な要因で生活が苦しい人に対し、「報われていない人は努力が足りないからだ」で片づけられる危険性も。

誤帰属に注意

自分の失敗は環境や上司、育った家庭環境など外的要因に、他者の失敗はその人の性格上の欠陥や能力の不足といった内的要因に紐づけられやすい、いわゆる「誤帰属」と呼ばれる心理バイアス。

このバイアスを意識すること、すなわち皆が同じではないこと、他者の立場に目を配り他者目線でものを考えることなしでは、容易に差別や安易な批判に陥ってしまう可能性があります。

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