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地元のラーメン。前編

また4月が来たよ。
どうも、コーシです。

毎年この3月の終わりから4月の初めにかけての感情というのはまさに異様だ。
年度が変わって新生活が始まることに素直にワクワクする気持ちと、どんなに充実していてもどこかやりきれないまま新年度を迎えてしまう気持ち、季節の変わり目、心が不安定になりやすいこの時期である。

そして私の場合、誕生日がある。4月2日。ハタチになった。この誕生日と言うものの存在感はメンタル的に厄介なのだ。祝ってもらえることはめちゃくちゃ嬉しい
嬉しさを表すリアクションが元々控えめというか、こう、喜びを内側で噛み締めるタイプなので、「多分今、俺は期待を裏切っているな。」と思いながらすっごい喜んでいる
しかし、問題は誕生日を自分にどう落とし込むか、という点だ。今回は特に難しい。この野郎(自分)がハタチ?そんなのダメだと思う。19歳は特にやりきれない感じが残る年だった。やりきれないなりに得たものは大きいが、”俗に言う19歳”みたいなものと比較して自分の19歳があまりにもちっぽけに感じる。
そんな自分が「おめでとう」なんて言葉をかけてもらっている。とても焦る

そんなことを思いながら、というか誕生日というものを忘れつつ、3月の終わりを過ごしていた。
家族には3日程前の休日に祝ってもらった。ありがとうございます。

今年の4月2日は何も予定が無かった。その日だけポカンと。
せっかくのこの機会なので、ちょっと前から少し遠いけど行ってみたいカレー屋さんがあったので1人でドライブでそこに行こうかなと思っていたら、彼女がご飯を食べようと言ってくれた。
あんたそんな日にまで1人でいるんじゃないよ、という強いメッセージ性を感じた。

場所はどこでも良い、というので考えた。上記のカレー屋さんは、ちょっと遠すぎるし、よくよく考えたら長野の方だからまだ雪が残っているかもなので、ノーマルタイヤの愛車ではドライブが恐怖だ。
ドライブもしたい気分だったので、どうしても東京からは出たい。自分から自分への誕生日プレゼントはロングドライブのガソリン代が良い。とはいえ東京外でいきたいお店を探すのは意外と難しい。今日は安心感のあるお店に行きたい。

そんなことを思いながら、車の窓を拭いていた。

そしたらなんか特に理由も分からずラーメンを食べたくなってしまった。何故か口がラーメンの口になっていた。

では、どこのラーメンが食べたいのか。完全に一択だった。どうしても、地元のラーメンが食べたくなってしまったその想いは今から片道2時間の日帰りドライブを躊躇わない程、確固たるものだった

え、なんでだろう。いやもちろん美味しいし、めっちゃ思い出の味だけど、わざわざ今地元のラーメンを今食べることを決意するのはあまりにも頭が追いつかない。

ただおそらく、食べないと気が済まない。

そう思った頃には、もう車は彼女を乗せ、秩父市へと走っていた。

 フクダコーシ しそとツナ缶。
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