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雨と人混みに紛れながら。

春宣言(本格的)。
どうも、コーシです。

なんと完璧などしゃ降りだろうか。今日から新年度が始まるというのに実に現実的な天候だ。

正直、私は別に良い。もう20年も”ここぞで雨男”でやってきた。節目の雨には慣れている。雨に対して感じるストレスも段々と少なくなってきた。これは心のが平穏さを得たのか、それとも以前に比べて外に出ることが少ない生活に慣れて、雨による弊害が最小限になったからだろうか。
多分後者な気がして悲しくなりそうなので、考えるのをやめた。ブーツを履けるから、ということにしておく

可哀想に思ってしまうのは、新1年生の方達だ。思い返せば一年前、私はだだっ広い大学構内を大きな不安とともに彷徨っていた気がする。入学式のたった1日で友達ができている同学年たちを不思議に思い、そして心底羨ましく思った。

ただ、1年前のこの日はとんでもなく晴れていた。鮮明に覚えている。家から2時間、満員電車に揺られながら鬱々とした気分で到着したが、晴れとあと1週間くらいの桜と自然が心を軽くしてくれた記憶がある。

雨だととにかく頭が痛いし、腰から下は湿るし、電車の中も特にジトジトしている。

昨日まで、1年生の入学を祝ってくれていた桜の花びらが「はーいもう今日からは現実でぇぇっす!ほれっ、頑張りたまえ!」とでも言うような激しい雨粒に揺られて散っている。初日からみんな打ちひしがれてしまわないだろうか。


そんなことを思ってはいるが、心配した方が良いのはいつでも自分のことである。この世の彼ら彼女らはどうせやってのける。己はどうだろうか。いかにも2年生らしい思考に陥っていた自分を少し恥じた。

今日は久々の6時起きだった。母に起こしてもらってしまった。私は、夢の中で「今日6時に起きなくて良い完璧な理由」を創り出しており、寝ぼけた私はそれを鵜呑みにして冷静にアラームを消していた。母に声をかけられた時も、「いやいや、起きなくてもいいんだって♪。」とか思っていた。

情けない。非常に情けない。

昨夜は「明日は6時に起きなければいけない」と言うプレッシャーで寝付けなかった。中学生の頃、地元秩父からディズニーランドに行く時も同じ経験をした。
ディズニーランドの開演時間に間に合うように秩父を出るには、確か5時とか6時とかに起きなければならなかった。起床のプレッシャーとあまりのワクワクで4時まで寝れなかったのを覚えている。逆にそこまで行ってなぜ寝たのかが不思議だ


色々思い出しても、過去の自分が今日の自分と大差なくて懐かしく思えないことが多々ある。懐かしさの要素には変化が必要なのだろうか。
唯一褒めてやってもいいのは、過去も今も寝過ごしてはいないところだ

1限の授業にはしっかりと間に合った。

この時期、大学は混む。普段サボって大学に来ない大勢の大学生が最初だけは来る。お昼ご飯を食べようと食堂を友人たちと歩いたが、机はどこも空いていない。
正直こんな人まみれの場所でご飯を食べる気になれないし、ちょうど私たちは5人組だったので、4人になればどこかにすっぽり座れるのではないかとも思い、私は食堂から出てベンチでパンを食べることにした。

ベンチでパンを食べながら、西加奈子さんの小説『舞台』を読む。あとちょっとで読み終わってしまう。とても寂しい。

そういえば、高校の後輩の女子が今年から同じ中央大学にやってくるらしい。何度か話したことがある後輩だ。とてもコミュニケーション能力が高い人だから、おそらくもうすでに友達ができているのだろう。

もしその後輩が今の私を見つたらどう思ってしまうだろう。彼女からしたら高校時代にイベントを仕切ったりしていた先輩が人混みに紛れて一人ベンチでパンを食べながら本を読んでいる、のだ。
小っちゃい声で「えっ。」とか言ってしまうのではないか。そしてその「えっ。」の理由を新しい友達にどう説明されてしまうのだろうか。大学生活における最初の陰りを感じさせてしまわないだろうか

そんなことを一瞬とても深く考えたが、色々と諦めて読書に没頭した。


今年度の初日は人混みとどしゃぶりに紛れて難なく終わった。今までは斜に構えて特に節目を意識しないようにしていたが、今回はちょっとだけ構えて臨んだ。

身構えると言うのはセンサーに一枚カバーを被せる感覚だ。それは自意識であったり、些細な気がかりやストレスを感じ取るセンサーで、カバーをかけると受信はしても心の奥までは入ってこない。
ついこの間までこのセンサーがビンビンだった。「20歳になったから」とかまた言うのもちょっと恥ずかしすぎるので言いたくないが、多分年齢の変化による何かしらの心の変化でセンサーにカバーがついた。
しっかりと今日を堂々と歩くために、何かを諦めるネガティブを一旦無視する。そんな感じ。まぁどうせカバーが破れる日が来るし諦めきれないしネガティブな日もあるのでこれ以上は書かない。

とりあえず今日はそうやって過ごせた。

大学2年生。丁寧に過ごしていきたい。

 フクダコーシ しそとツナ缶。
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