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きん太物語(きん太と三人の下僕)【下編】

最後に、少女C。この家族のアイドル的存在です。いわば、きん太にとって最大のライバルであり、人気者という一番欲しい立ち位置なのです。そんな少女Cが行動する所々、家族が一緒になって動くのです。不運なことに少女Cは、きん太を見てすぐ泣くのです。顔が怖いのか存在が怖いのか定かではありませんが、、、。その都度、きん太はすぐ家族に怒られるのです。普通のコドモだったらこれに味をしめて面白がり、繰り返し行い、きん太を下僕へと導くのですが少女Cには、やましい気持ちが一切ありません。素の感情のまま接してくるそんな少女Cに危機感を感じのでした。

そんなある日、きん太は三人の下僕と裏山に散歩に出かけました。少女Cと家族を引き離すことに成功したのです。何も考えず散歩に出かけた為、きん太たちはすぐに迷子になりました。そんな中突然、茂みの方から野良犬の大群が現れました。見る見るうちに周りを囲まれ、きん太たちは震え上がりました。こんな中、頼りになるのは一番体格の良い少女Bと言いたいところですが、少女Bは歩きすぎでお腹が空いて力が出ないのです。みかねた〝きん太〟が震えながら野良犬たちを威嚇するのです。これが野良犬たちの怒りに火を注ぐことになります。絶体絶命の状態です。

流石のきん太も降参寸前、、、。諦めかけたその時、少女Cが震えながら歌い出しました。最初は威嚇していた野良犬たちが徐々にその歌声に惹きつけられていくのです。その歌声は、コドモたちを心配していた家族にも届き、家族たちが裏山に捜しにくるキッカケとなるのです。一瞬の瞬間を逃しませんでした。少年Aは、遠くから聞こえる家族の元へきん太に鍛えられた自慢の走りで助けを求めに行き、歌声で体力が少し回復した少女Bはその間、野良犬たちを上手くあやしていくのです。こうして家族が駆けつけ、きん太たちは事なきを得るのです。

これがきん太と三人の下僕の最初の物語です。

                   (完)

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