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ブラック会社に捕まり、辞めるまでの話⑥

僕のブラック会社員時代の超絶リアルエピソード。キラキラな入社から絶望の退社まで、複数回に分けてお届けします。

この記事は、続編です。
前の記事を見てない方は、先にこちらからどうぞ↓

ブラック会社に捕まり、辞めるまでの話①
ブラック会社に捕まり、辞めるまでの話②
ブラック会社に捕まり、辞めるまでの話③
ブラック会社に捕まり、辞めるまでの話④
ブラック会社に捕まり、辞めるまでの話⑤


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6、退職

何とか眠って土曜の朝。
流石にこれまでの疲れと、自分の中で考えを整理したいという思いで、土曜は出勤しませんでした。

そして、前日に同期11人とLINEを交換していたので、グループ内で相談や愚痴が飛び交っていました。

『え、みんな今日(土曜)出社する?』
『私は一応いくかな…』
『え、うそだろ…行きたくねえよオレは…』

出社するかどうかは半々でした。
僕と同様、みんな会社からの扱いに不満を溜めていました。

僕は昼過ぎまで疲れを癒すために布団で過ごしており、夕方からカフェに行って、今後について考え始めました。

ーこれからどうしよう。
 会社を辞める選択肢も出てきた。
 
 ただ、1社目でこんな早く辞めてもいいのか。

かなりの時間考えていましたが、答えが出ません。
初めての会社員経験なので、この状況が普通なのか異常なのか判断ができませんでした。また、結果が出ないのは自分に才能が無いからなのか、ただ根性が足りてないだけなのか、といった葛藤もありました。

・・・

そこで僕は、同期の中で最も歳が近く、かつ営業2社目のAさんに個人LINEで相談しました。

ぱ「Aさん、正直、僕この会社辞めようかなって悩んでます。でも、こんな早く辞めていいんですかね。Aさんはどう考えてます?」
Aさん『いや、正直僕も辞めようか悩んでいる。面接で聞いていた待遇と違いすぎる。土日無給出勤なんてほんとヤバイよ』

ーいや、ほんとにその通りだ。いくらなんでも、労働時間長すぎる。
 ただ、もうひとつ悩みがある。。

ぱ「そうですか…。ただ、Aさんはアポとれてましたよね?僕1つも取れてなくて。才能ないんですかね。それともただ努力不足なんですかね。」
Aさん『いやいや、僕は前社で2年くらい営業やってたから。まず間違いなく営業初めて3週間でアポ取れるわけないよ。普通の会社なら3ヶ月は研修して、それから営業に出るんだから。』

ーえ、そうなの?
 3ヶ月も研修期間ってあるのか普通は…

Y社での研修期間は3ヶ月どころか3日間でした。4日目からは1人で営業電話をかけ始めていました。“普通”を知らなかった僕は、3日の研修が普通だと思い込んで、できない理由を自分のせいだけにしていました。

Aさんとの相談の後、僕の心は揺れていました。
辞めるべきか、続けるべきか。

ーどうしたらいいんだろう。
 ただ、辞めても仕事まだ決まってないし、
 やりたい仕事もない。
 辞めたら、どうなるんだろうか。

僕は、理想の仕事を考えることにしました。
どういう仕事をしたいか、条件は何か。
思いつくままに、ノートにメモしていきました。

○残業のない仕事につきたい
○ノルマがない仕事がしたい
○お金よりも、ストレス0を優先したい

こんな感じのことを書いていました。
辛さが多かった分、割とスラスラ出てきましたね。

そして、気づいたのが、Y社就職前と今とでは会社に求める条件が全く異なっていました。
入社前は「給料・職種・昇給・市場価値が高いスキル」みたいな意識高いムキムキなことを最優先としていたのですが、それらはノートに書き出した時1つも出てきませんでした。

ーもう疲れたくない。
 最低限の仕事だけしていたい。

この想いがめちゃくちゃ強かったんですよね。
給料が良くても、仕事で疲弊していちゃあその回復にお金を使ってしまう。酒を買ったり無駄に食べまくったり。本当に意味がない。


・・・

僕自身の感情がある程度整理できてきたので、僕は休憩がてら散歩に出ました。
外は夕方で、秋の冷たい気持ちいい風が吹いていました。

夕暮れの公園を歩く中で、僕はこれまでの人生を振り返っていました。
そして、思い出したんですよね。
僕には自分の人生の軸があったことを。


『人生クソ楽しかった!』といって死ぬ

というものです。
”死ぬときに胸はってこれが言えれば、おそらく悔いのない人生が歩めているだろうな“、と考え軸を設定しました。



これは2年ほど前に「マコなり社長」というyoutuberの動画を見て決めたもので、僕の行動の基盤となっているものです。
この軸のおかげでここまで人生前向きになれたし、後悔のない選択ができました。
“この軸を達成できるかどうか”で、これまでの人生も決断を繰り返してきました。

そして今回も、この「『人生クソ楽しかった!』といって死ぬ」を体現できるかどうかを考えたときに、僕の思考がまとまり始めました。


ーそうか、僕は人生楽しく生きたいんだった…
 いま、楽しい??
 このままY社にいて、楽しくなる可能性ある?


そう自問自答した時、ようやく答えが出てきました。


ーいや、絶対に楽しくなる訳なんてない
 出世したとしても、僕も理不尽な出勤命令を部下にするだけだ
 


 …よし


 …やめよう。


歩く足を止め、公園のベンチに座りました。

スマホを手にとり、文字を打ち始めます。

「お疲れ様です。

自分でしっかり考え抜いた結果、
勝手ながら今日で会社を辞めます。
お世話になりました。

手続きよろしくお願いします。」

上司との個人チャットに文字を打ち、送信ボタンを押しました……。

そのあとの返信が怖くて、スマホの通知を消して過ごしていたことを今も鮮明に覚えています。

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最終回です↓


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