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【和訳その他】戦争・軍事・安全保障

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戦争・軍事・安全保障に関する各種英文情報の日本語訳や紹介、内容要約
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#反攻

【Twitterスレッド和訳】地雷が及ぼす影響と課題(@Tatarigami_UA氏)

【Twitterスレッド和訳】地雷が及ぼす影響と課題(@Tatarigami_UA氏)

ヴフレダルの新たな衛星画像により、冬にロシア軍が経験した壊滅的な出来事(これは現在進行中の反転攻勢においても同様であるが)の程度を明らかにしていることを踏まえると、地雷原の役割と攻撃作戦を形成する際の任務計画策定に関して探求することは、極めて重要だ。

地雷原の目標は、損害を与えること以上の範囲をもつ。つまり、地雷原設置の意図には、敵側を特定の心理状態に陥らせることと、その戦術的アプローチを狭める

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【Twitterスレッド和訳】ロシア軍の地雷設置手順(@Tatarigami_UA氏)

【Twitterスレッド和訳】ロシア軍の地雷設置手順(@Tatarigami_UA氏)

反転攻勢と地雷原の関係において、ロシア軍教本の検討を続けていこう。この教本は、ウクライナ軍機械化部隊縦隊への対抗措置としての地雷設置に関するガイドラインを示している。

この教本では、道路上、橋梁、樹木帯付近の路外エリアでの地雷設置を推奨している。このような場所は車両が移動する可能性のある地点だ。交差点に関しては、特別の注意が示されている。交差点では、地雷、障害物、バリケードを合わせて設置すること

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【Twitterスレッド和訳】機甲突破に対するロシア軍の対抗戦術(@Tatarigami_UA氏)

【Twitterスレッド和訳】機甲突破に対するロシア軍の対抗戦術(@Tatarigami_UA氏)

私は最近、価値あるロシア軍文書を入手した。そのタイトルは「敵側戦車・機械化縦隊への推奨対抗法」だ。このスレッドでは、この教本の一部の分析を行い、その内容から得られる見解を示すつもりだ。

この教本では、ウクライナ軍が諸兵科連合部隊編制を活用していることを強調している。それによると、ウクライナ軍の戦術はNATO戦略を基盤に、現地状況を加味したうえで、ウクライナ軍指揮官の頭に叩き込まれた「NATO流戦

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【Twitterスレッド和訳】バフムート方面のウクライナ軍動向(@emilkastehelmi氏 | 日本時間2023.07.01, 03:33投稿)

【Twitterスレッド和訳】バフムート方面のウクライナ軍動向(@emilkastehelmi氏 | 日本時間2023.07.01, 03:33投稿)

最近の進展をみると、バフムート付近で何か興味深いことが起きていることが分かる。

ここ1カ月間、ウクライナは複数箇所からロシア軍をゆっくりと押し出し続けている。今の時点でこれを第2次バフムート会戦とは呼べないだろうが、ウクライナは現在、ここで間違いなく攻勢態勢に入っている。

今週、ウクライナはドネツ-ドンバス運河の西側にあった最後のロシア軍展開地点の掃討をついに終えた。

この作戦は5月から行わ

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【Twitterスレッド和訳】ロシア軍の地雷について その2(@Tatarigami_UA氏)

【Twitterスレッド和訳】ロシア軍の地雷について その2(@Tatarigami_UA氏)

今も続く反転攻勢を取り巻く議論をみると、地雷に関する話題を再び取り上げる必要がある。なぜなら、これは極めて重要なことだからだ。以前、私が強調したように、ロシア軍が広範囲に地雷を埋設したことは、我が部隊[*注: ウクライナ軍]にとって、依然として相当深刻な脅威なのだ。

この反転攻勢で直面している地雷の問題は、NATOや西側諸国の軍隊が仮に同じリソースで地雷に対処するのならば、それらの国々の軍にとっ

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【Twitterスレッド和訳】 ロシア軍の地雷について(@Tatarigami_UA氏)

【Twitterスレッド和訳】 ロシア軍の地雷について(@Tatarigami_UA氏)

我が軍[*注: ウクライナ軍]が反転攻勢を行うなか、地雷の存在が大きな問題になっている。数カ月前に私がはっきりと示したように、敵の航空機、対戦車兵器、そして砲兵による火力の脅威に常にさらされるなか、地雷の問題を効果的に処理するのは難しい。

現在の状況に関する私の知識によると、ロシア軍は広大な範囲での地雷敷設を続けており、それは数十、数百平方kmにも及ぶ。この問題の規模を考えと、地雷除去導爆索(M

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【記事紹介】“ウクライナ反攻開始: レオパルドは解き放たれるのか?”(Ukraine’s Counteroffensive Begins: Shall the Leopards Break Free?,by Jack Watling, RUSI, 14.06.2023)

【記事紹介】“ウクライナ反攻開始: レオパルドは解き放たれるのか?”(Ukraine’s Counteroffensive Begins: Shall the Leopards Break Free?,by Jack Watling, RUSI, 14.06.2023)

ウクライナ軍の反攻が始まった。同軍は戦線の第一線を突破しているが、ロシア軍主防衛線には至っていない。そして、ウクライナ軍第一波部隊が突破のための条件をつくろうとするなか、キーウはその主戦力を保持している。

接触線にあるロシア軍防御陣地と異なり、ウクライナ軍の現展開地から15〜20km先にあるロシア軍主防衛線は頑強にできている。さらにその背後には後退用陣地も存在する。

戦いは今後厳しさを増してく

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【論考紹介】 ウクライナ攻勢のその先に向けて: 長期戦に備えた軍事力整備を進める必要性が西側にはある (Beyond Ukraine’s Offensive: The West Needs to Prepare the Country’s Military for a Long War, by Michael Kofman & Rob Lee, FOREIGN AFFAIRS, 10.05.2023)

【論考紹介】 ウクライナ攻勢のその先に向けて: 長期戦に備えた軍事力整備を進める必要性が西側にはある (Beyond Ukraine’s Offensive: The West Needs to Prepare the Country’s Military for a Long War, by Michael Kofman & Rob Lee, FOREIGN AFFAIRS, 10.05.2023)

マイケル・コフマン氏とロブ・リー氏によるウクライナ支援のあり方についての問題提起。

ウクライナ反攻とその成否ばかりが注目されるが、重要なのは攻勢後のことを検討することだと指摘。なぜなら、ウクライナ攻勢が最も上手くいく場合でも、一回の攻勢によって、戦争が終わることはないからだ。

ウクライナ反攻が最も順調に進行した場合でも、昨年のハルキウとヘルソン同様に、いずれ攻勢はピークを迎え、新たな消耗期に入

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【論考紹介】 “ウクライナの一番長い日:予期される反攻の最初の24時間は、間違いなく決定的な時間になるだろう” (Ukraine’s Longest Day: The first 24 hours of the expected counteroffensive will likely be decisive., by Franz-Stefan Gady, Foreign Policy, 18.04.2023)

【論考紹介】 “ウクライナの一番長い日:予期される反攻の最初の24時間は、間違いなく決定的な時間になるだろう” (Ukraine’s Longest Day: The first 24 hours of the expected counteroffensive will likely be decisive., by Franz-Stefan Gady, Foreign Policy, 18.04.2023)

ウクライナの反攻が予期されているが、1944年、ノルマンディに連合軍が上陸する前、ドイツのロンメル元帥が述べたように、勝負を決めるのは最初の24時間であり、そのため、攻勢初日はウクライナ軍の“一番長い日”になるだろう。

ウクライナの反攻作戦については、時期や場所、兵力といったことがよく議論されるが、そのようなことを知り得るのはウクライナ指導部のごく一部の人間のみであって、ここ数カ月間で私たちが知

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