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"未来の友達" へ

おはようございます!atom.です。


嬉しいことに、
塾で担当していた高校生の生徒が
全員、第1志望の大学に合格しました。


ということで、急ではありますが私も生徒も
もうすぐ塾を辞めることになりました。


今年は塾講師として、

週1回・たった90分の授業だけで
賢くなるわけがない!

「家に帰ってからの勉強の仕方」や
「残りの6日間の使い方」を伝えよう!

という考えの下、教科書を一切使わずに
塾の指示を無視して
好き勝手に授業をしていました。


 "普通じゃない" 授業を面白がって、
1年間一緒に歩いてくれた生徒たちには
感謝しかありません。


でも、私はもうすぐ
彼らの先生ではなくなります。


今週のnoteは、大学に進学する生徒たちが

愚かな私と同じ落とし穴にハマらないために
貴重な4年間を満足して過ごせるように
彼らが道に迷ったときに振り返れるように

noteという場を借りて、偉そうにも
最後の授業をする場にしたいと思います。


ちょっと変わった先生が、
塾で授業をしている姿を
想像して読んで頂けると嬉しいです。


敬語とタメ口が混ざっていますが、
普段の授業の口調を意識して
そのままにしています。


曲紹介

back number - 水平線

私の価値観に合う一番好きな曲です。
聴きながら読んでください。


1つだけ約束しよう


まずは、合格おめでとう!


面接が上手くいかなくて泣いてしまったり、
先の見えない不安に襲われて
眠れない夜を過ごしたのも知っています。


それでも、負けずによく頑張りました。


4月に会ったときよりも一回り大きく成長した
君たちを見て、とても嬉しく思います。


今は遊びたいかもしれないけれど、
最後に僕の話を聴いてほしいです。


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大学に入ると自由になると同時に
さらに大きな不安を感じると思います。


その自由と不安の根っこはたぶん同じで、
 "強制をされない" ということ。


誰かの決めたルールや指示に従うことは
ストレスかもしれないけれど、
一方でとても楽です。


失敗すれば、その人のせいにすれば良いから。


振り返れば18年間の人生は 指示ルール
縛られる経験が沢山あったと思いますが、


大学ではそれらが大きく減ると思って下さい。


自分で責任を負って 自分の人生を創る準備を
たった4年間でしなきゃいけなくなります。


まだ想像出来ないかもしれないけれど、
これはすごく怖い。


統計的に見ても、あと70年近く続くはずの人生に
たった4年で設計図を引かなくちゃならない。


選ぶのも自分。責任を取るのも自分。


大学に入ったばかりの頃の僕を含め、
多くの大学生がこのプレッシャーをどうやって
処理しているかというと、


答えは、 "選択しない" 


"やる" か "やらない" かのどちらも選ばず、
時間切れを待って、
責任を自分から時間へ転嫁する。


僕は君たちにこんな情けない道を
辿ってほしくない。

だから、1つ約束をしてほしいです。

自分の人生を自分で "選び続けよう" 


僕もこれからずっと "選択し続ける" と
約束します。

自分の人生だ。責任は自分で取るしかない。


約束のために


でも、このお願いが極めて
残酷だということは分かっています。


自分も責任を負うことから逃げていたくせに
君たちには退路を断たせているからです。


そこで大学卒業間近になって、
やっと選択し続けられるようになった僕から
一緒に頑張るための技術を提案します。


それは "軸を持つ" こと。

軸があるからこそ、それに照らして
"やる" かどうかを選べるんだ。


例えば僕は

面白い人間になれるのはどっちか

という軸で選択肢を見極めるようにしている。


これは毎回の授業で、
なぜか誇らしげに語っていたと思う。


しんどくても面白い経験が積めるなら
思い切って飛び込もうと決めています。


君にはどんな軸があるだろうか?
今まで何を考えて選択してきただろうか?


ゆっくり思い返してみてほしい。


出来てすぐの軸や価値観は折れやすいけれど、
軸に沿った選択を重ねることで強くなります。


強い軸を創るなら強化の材料が多く必要だから
早い段階で軸を定めていっぱい選択しよう。


大学の4年間は短い。軸に向かって一点突破で
時間とエネルギーを注入して、
めいっぱい尖ってやろう!


軸の作り方は授業で話した通り。
もし忘れていたらもう一度取り組もう。



ちょっと休憩して


さて、大きな約束が終わったところで
ちょっとペースを落とそう。


少し僕自身の話に付き合ってほしい。


イラっとするかもしれないけれど、
僕はいわゆる "高学歴" な部類に入ると思う。

知識量や賢さを褒められることがよくある。


でも本当の強みはそこじゃないし、
そんな上辺の評価軸は持ってほしくない。

もっと目に見えない部分を大切にしてほしい。


僕から見た自分の強みは、

自分が求めるレベルとのギャップと向き合い
到達できるまでの階段を創れること


この思考の流れは、
僕が大学生活で常に意識していたことです。


約束をすると同時に、
この武器を君たちに渡したくて


"最後の授業" なんてダサいテーマで
noteを書き始めたんだ。


きっと君たちにとっても
成長するための大きな武器になると思う。


よく分からないと思うから、今から説明します。


思考とは "流れ" だ


さっき決めた約束を思い出してほしい。

選択し続けよう、そのために軸を持とう。


もう軸は準備できた?
仮でも良いから、創ってから先に進もう。


軸が定まると理想の自分の姿が見えてくる。

その軸が強くなった結果、
何をしたいのか・どんな目標を達成したいのか。


例えば僕の目標だと、

全員が自分の強み弱みを自覚して支え合う
ジグソーパズルみたいな社会を創りたい

とかね。これはよく言っていたと思う。
授業中につまらない話ばかりしてごめんね。


何を成したいのか、ゴールが決まったら

理想の自分は、どんな能力を持っていて
どんな生活スタイルで、どんな性格なのか。

出来るだけ具体的に、細かく想像してほしい。


まずは恥ずかしがらずに大きな夢を描こう。
さあ、ここからは現実と向き合う時間。


理想の姿が想像出来たら、今の自分と
どこが違うのか・何が足りないのか考えよう。


どの能力をどこまで伸ばす必要があるのか、
課題を見つけて具体的な数字に落とし込もう。


到達したか分からない曖昧な目標にしないよう、
ここはきっちり決めること。

きっと "最後のひと踏ん張り" の
支えになってくれるから。


最後に、課題を攻略するためには
どんなアクションを起こせば良いだろうか?


1年後に "こんな自分" になることが必要で、
そうなると1か月後には "これが必要だ" 

みたいに、
時間の流れを意識した行動目標を立てよう。

あとは目標を達成しながら日々を過ごすだけ。


行動目標をクリアすれば理想に辿り着けると
分かっているのにサボってしまうなら、


おそらくその理想は、人生をかけて
追求したいほどの魅力が無いんだと思う。

改めて自分に問いかけて、軸を創り直そう。


ここまでの作業をまとめると

理想の自分が何かを "知っている"
理想とのギャップを "見つけている"
理想に辿り着くまでのステップを "創れる"
トライ&エラーを重ねて階段を "上っている"


目の前の課題に対して、この思考の流れが
スムーズに出てくるくらい体に浸透させよう。


軸を持って理想を描き、
自分の意志で階段を上れていれば、


君は既に "普通でいる" ことや 
"何者かになる" ことより


"自分自身である" ことに
誇りを持てるようになっていると思う。


そうなれば僕から伝えられることは、
もう何もないです。


これからは


さて約束もしたし、壁を乗り越えるための
"4つの思考の流れ" という武器も渡し終えた。


これで授業は終わりにします。


最後になっても
"君たちらしい人生の歩き方" を話すばかりで
"正解の人生の歩き方" を教えることは
出来なかった。力不足で申し訳ない。


でも正解なんてきっと無いし、
無くて良いんだと思う。


"正解が無い" からこそ、
自分で "自由に創れる" と考えよう。


未熟なくせに偉そうな先生だったけれど、
君たちと1年間、
一緒に将来について悩みながら
毎週会って話が出来て幸せだった。


本当にありがとう。


最後に、塾講師を辞めた身として一言だけ。

勉強は程々で良い。


楽しいことも辛いことも いっぱい経験して、
健康で自分らしく生きてくれたら
僕は嬉しいし授業をしてよかったなって思う。


これで本当に最後の授業は終わり。

長くなってごめんね。


「この人に教えてもらってたんだ」って
自慢してもらえるように僕も頑張るよ。
ちょっと先で待ってる。


"未来の友達へ, 愛をこめて"
また会える日まで元気でね!バイバイ!


atom.

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