Book(Movie) Review-1: 思いを伝えるということ
本棚の本を紹介するブックレビューを、昔からやってみたくて始めてみました。ご興味あれば幸いです。
まずは1冊目。
【シャッターとたき火】
自分を傷つけないために
いや、シャッターを下ろしてはいけません
また繰り返すのですか
たき火を消してはいけません
故意に終わらせてはいけません。
味わって見届けましょう。
ブック(Movie)レビュー 1st
「思いを伝えるということ」
著/大宮エリー
基本、この人は飲んだくれで、かつかなりな芸人であるが、東大薬学部卒の元電通のCMプランナーで、映画監督で作家で脚本家で画家である。紡ぐ言葉はおっさんではなく、すっと深く深く胸の奥に届く。
そのセンスはすごくて、とても勉強になる。
ちなみに、金津創作の森の美術館で開催されたライブペインティングの時は、もう酔狂のように絵を書いていた。
エリーさんが監督した"海でのはなし"は今も記憶に残る。
この映画の話も今度書きます。
7年前に渋谷PARCOで開催されたインスタレーション"思いを伝えるということ展"から派生した短編集。
読んだ時は、ソコソコに心がシンドイ時だったのでスゴく助けられた。
でも、あまりその事は口にしない。
言うと、ポジティブなコメントがあまり来なくて、むしろ疲れてしまう。
ちなみに最後の章にある"たき火の行く末"は自己認識の下りでもあって、人にもよるけど向き合うと言うのは難しく、実に消耗する行為である。だからこそ、最後の章が一番記憶に残る。
今は、快適な社会でもあって、望めば気軽に安価に何でも手に入る。
スマホの検索窓に叶えたい言葉や知りたい言葉を打ち込むと、大半の事が分かってくる。
でも、私たちは幸せではない。
むしろ、息苦しくなっている。
でも、その理由がわからない。
必要なのは、自分の足りないピースと欲しいピースを知る事と、自分が幸せになる状態(相)を知る事だと思う。
昔、友人はこう言った。
幸せは閾値があるっと。
閾値が正しいならば、幸せは個体とか物質ではなくて、状態(相)を指すと思う。
それを認識することができれば、私たちは幸せに近づくことができる。
でも、それは簡単じゃない。
自分を知る事は向き合う事で、とても苦しい...
本当に苦しい...
認めるだけで、口に出すだけで、息が苦しくて、汗が止まらない...
ある人は、私に貴方は心を開かないと言った。
ある人は、女性の気持ちを台無しにしている、それはきっと1人2人じゃないっと言った。
いや、実は自分は心を開けない。
そもそも歪んでいるから扉は開けにくい。
確かに、扉を開けずに相手の好意を台無しにしてしまった事もあったし、逆に自滅した事は何度もある。
自分は何も学べていない。
(良い歳して独身なのは、この罰と思う)
当たり前と思われる事が、実は最も難しい。
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